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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (247)

  • nix in desertis:書評:深田久弥『日本百名山』

    『日百名山』について,深田久弥自身はあくまで自分が登ったことがある山から選んだこと,深田久弥の選定であって日の登山家の決定版的に選んだわけではないことを強調しているが,結果として日百名山は神聖視されている。日百名山の選定に対する不満としては, ・深田久弥が喧騒を嫌ったために過度に観光地化した山は外された(御在所岳など) ・深田久弥が登っていないために選ばれなかった(石狩岳など) ・標高が1500mよりも低い山は,筑波山・天城山・伊吹山・開聞岳の例外を除いて一律外された(比叡山など) ・選定が東日,特に北アルプスと北関東に偏っていて西日からの選出が少ない(蒜山・氷ノ山など) 辺りがよく聞かれるところで,これらの批判自体は当てはまっている。私自身,低山が外されたことについては疑問に思う。しかし,刊行から60年を経て,結局深田の百名山に代わる権威は出現しなかった。深田自身は神聖視を拒

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    shigak19 2023/12/10
    鉄道の方でも宮脇俊三本人が割と新幹線・通勤路線・私鉄には冷淡なのを再三記述しているのと通底しそう
  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

    今年も無事に公開に至ることができた。3巻が好評発売中なので,過去の年度,特に早慶・国公立以外を見たい方はぜひお買い求めください(初手宣伝)。 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作問者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用

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    shigak19 2023/03/18
    慶應法学部、散々戦後日本左翼の平和主義批判している某国際政治学研究者が居てこの微妙な軍事関係はいかがなものかとも/イラン駐留英軍とか最後どうなっていたんだろうとも。パブリブが世界駐留軍総覧出したら良い
  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

    昨日の続き。日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は14問であるが,そのうち3つの学部が10問を占めた。少し偏っている。 〔番外編〕早稲田大・文化構想学部 <問題>5 設問3 図Bは,フランスの画家ピュヴィ=ド=シャヴァンヌが1871年から1872年にかけて「希望」をテーマに制作した作品の1点である。ここでは,白いドレスを着た女性が平和を意味する小枝を持ち座っているが,その背景には荒涼とした風景が広がり,墓地や十字架が見え戦争の痕跡がうかがえる。この絵の構想の着想源となった,製作時期にもっとも近い年代に行われた戦争は何か。次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙の所定欄にマークしなさい。 ア ライプツィヒの戦い     イ アロー戦争 ウ プロイセン=フランス戦争  エ クリミア戦争 設問4 図Bについて適切に説明している文章を,次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙

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    shigak19 2023/03/18
    同一出題者だったらさすがに洒落にならないけれど、なまじ出題者変わると引継ぎ無さそう/日本史教科書レベルの検証が怪しいのは残念で、対外関係史・海域アジア史という歴史総合でのウェートが高い分野なだけに
  • nix in desertis:2022カタール・ワールドカップのグループリーグに見る世界史

    ブログの恒例企画なので。2018年の。 グループA(オランダ・エクアドル・セネガル・カタール) 関係が非常に薄そうな4ヶ国に見えるが,実はセネガルにある負の世界遺産ゴレ島をオランダが使っていた時期がある,つまり奴隷貿易という意外な接点がある。ゴレ島は17世紀後半に英仏と三つ巴で取り合いとなり,最終的にフランスが対岸のセネガルとともに占領した。なお,黒人奴隷貿易の輸送数ではポルトガル・イギリスが圧倒的に多く,次いでフランス,4番目がオランダである。オランダに黒人奴隷貿易当事国のイメージがあまり無いかもしれないが,17世紀の時点ではポルトガルに次ぐ主要国であった。18世紀に入ってから英仏が急速に輸送量を増やし,オランダを抜き去っていく。ゴレ島がフランス領となったのはその端緒である。他はちょっと見当たらなかった。ロイヤル・ダッチ・シェルがカタールの油田開発にかかわってたりしないかなと思って調べ

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    shigak19 2022/11/27
    デンマークはなるほどだし、ナポレオンとエジプトまではつながっていても確かに中東全体まではリンクできていなかったなあ
  • nix in desertis:早稲田大・文学部&文化構想学部・世界史の入試問題で掲載された西洋美術作品リスト

    <序> 大学受験では,大学・学部・日程ごとの傾向をつかむことが重要とされ,こと世界史においてそれは記号選択や論述の量といった出題形式と,出題される時代・地域・分野の偏りと解される。中世・近世ヨーロッパ史の出題が確実にある一橋大や,中国史の出題割合が高い名古屋大や立命館大などがその代表例であろう。その中で今回クローズアップするのは,早稲田大の文化構想学部・文学部では西洋美術史を扱った出題が必ず存在し,多くの作品の図版が掲載されるという点である。しかも,ほぼ必ず最後の大問にまとまって置かれているところまで定型で,これは極めて特徴的である。文化史の出題が多い傾向を持つ入試問題自体がさほど多くない中,さらに細分化された西洋美術史から必ず出題されるというのは類例を見ない。文学部に進む者は中国思想を志そうが社会学を志そうが西洋美術史は必ずたしなんでおくべしという強い意識が見られる。なお,例のモノクロで

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    shigak19 2022/08/07
    「明らかに少ないのが18世紀末から19世紀半ば」/「ブレダの開城」は『ヨーロッパ近世の開花』の印象というか、今思えば中公世界の歴史新版は表紙を美術系で統一だったのかと
  • nix in desertis:大学入試の「2年前ルール」はちゃんと守ってほしい

    ・なぜタリバンはこれほど急進撃しているのか アフガニスタン(BBC) → ターリバーンがアフガニスタンを完全掌握する前の記事で,「もしも政府が各地の部族長を味方につけることができれば、タリバンと政府のどちらも決定的に勝つことも負けることもない、膠着状態が訪れるかもしれない。」「アフガン政府は首都カブールなどの大都市にしがみつき続けるだろう。」といった予測が虚しい。しかし,アフガニスタン政府が敗北した理由は読み取れる。状況はイラクと全く同じで,部族社会と腐敗をなんとかせんことにはどうにもならないのだろう。 >「兵士たちはしばしば、部族的にも家族的にも何のつながりもない地域へ派遣される。」「はびこる腐敗の悪影響を深刻に懸念」 → おそらくアメリカとしては民主主義と近代的な制度が定着すれば自然と部族社会も腐敗もある程度解消されていくと考えているのだろうが,実際には逆で,先に部族社会の解体(=ナシ

    shigak19
    shigak19 2022/02/19
    感染症による「非常時」への対応の中で、文科省による急な変更要請への批判に比べて、受験生の人生にとっての重みの感覚はやや麻痺しがちなのかも
  • nix in desertis:ワクチン(モデルナ製)接種2回目の記録

    Twitterで3時間おきくらいに報告していたものを,補足してまとめておく。 準備:解熱剤(1回2錠でイブプロフェン150mgのもの)・ポカリスエット1.5L・うどん6玉・オールブラン+牛乳・冷えピタ1箱(6枚)。いずれも役に立ったので事前準備はほぼ完全に正解。しいて言えばポカリは早々に尽きたのでもう1あってもよかったかも。また後述する事情でオールブランはほぼべず。また,ワクチン摂取したのは木曜日の午後で,金曜日はあらかじめ有休にしておいた。3連休とあわせて4連休だが,むしろ体調回復に費やされる気はしていた。 接種後3時間経過:熱は平熱の36.3度。まだちょっと腕が痛いだけ。今のところは1回目より症状が軽いくらい。腕の痛みに関しては最後まで1回目よりもかなりマシだった。1回目は接種後の丸2日間ほとんど腕が上がらない状態だったので。それはそれとして,左利きの人には同意してもらえると思うの

  • nix in desertis:モンドリアン:垂直線と水平線で絵画を作ると地図になる

    SOMPO美術館のモンドリアン展に行ってきた。SOMPO美術館が損保ジャパンビル42階から独立した建物に移転してから初めて行った。眺望が良かったのでちょっともったいなかったかなと思う。モンドリアンは20世紀前半に活躍した抽象画の画家で,現代アートの走りである。垂直線と水平線だけで構成された画面で有名で,美術の教科書で一度は見たことがあるだろう。このブログの古くからの読者であれば私が現代アートが嫌いなのはご存じだと思うが,なぜモンドリアンを見に行ったのか疑問に思うかもしれない。実はそれは現代アートの開闢期には微妙に当てはまらない話で,むしろ「若い頃に自然主義や印象派が流行していた人々が,自分の円熟期にはなぜこのスタイルになったのか」という観点でなら興味がある。その意味で(デュシャンは当然として)キュビスムの画家たちやカンディンスキー辺りには関心がある。これらの画家の若い頃の作品を展示してくれ

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    shigak19 2021/05/31
    館の名称も変更していたのか。上野と違って新宿なのでつい存在自体を忘れていて、時間があってもついでに寄ろう、とはなかなかならなくて結局1回しか行ったことが無かったなあ
  • nix in desertis:結婚の予定が無いので写真には写りません……とはいかないようだ

    ・やりこみゲーマーはなぜ苦行に挑み続けるのか──「普通に辛いです」それでも縛りプレイに身を捧げる理由【おやつの人インタビュー】(ニコニコニュース) → けっこうなロングインタビューだった。おやつさんインタビュー受けるの初めてというのはちょっと意外。冒頭にあるように何度かネットニュースになっているが,全て勝手に偉業を讃えられた形であって人は登場していなかった。 → 自分の動画の中でも言っていたことではあるが,動画の魅せ方のため,勝利してもやり直すのがおやつさんらしい。動画にすることが主目的でやりこみはサブというのは,他のやりこみゲーマーには見られない傾向で,これがこの人の独特の地位を築いているのだと思う。準備のための下調べや動画の編集時間の方がプレイ時間よりも長いので,視聴者が思っているほどゲームプレイ時間は長くないというのはTwitterでも言っていた。それであるのにあれだけの苦行を耐え

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    shigak19 2021/05/25
    アルバムというものが近代型家族を前提としていた感はある/東北大の史料館が歴代役職者の写真を収集し続けていて、退任時だと紛れてややこしいので就任時に一斉に撮るようにしているなんて話があったなあ
  • nix in desertis:2021受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(共通テスト・国公立大編)

    昨日の続き。今年は共通テストと阪大・一橋大の計3問のせいで公開が1週間遅れ,おまけを作る気力が消滅したと言っても過言ではない。何なら一橋大の方はまだ原稿が完成しておらず,後に追記するか別記事を立てる可能性がある。解説が非常に長くなったので,心して読んでほしい。 1.共通テスト第2日程 <種別>分類不能(しいて言えば作図の指示ミス) <問題>1 B オーストリアの貴族クーデンホーフ=カレルギーは,1923年に『パン=ヨーロッパ論』を著し,ヨーロッパ統合運動を展開した。彼は世界が五つのブロックに分かれて統合されていくと考え,ヨーロッパも「パン=ヨーロッパ」として統合されるべきだと主張した。その際,欧米諸国の持つ世界中の植民地も,それぞれのブロックに統合されると考えた。次の図1・図2は,『パン=ヨーロッパ論』所収の地図を加工したものであり,縦線や横線,斜線,点などで地域がブロック別に示されている

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    shigak19 2021/03/20
    ざっとだけ拝見してこれは時間取ってじっくり読みたい/ホイジンガの「17世紀ネーデルラント文化の概観」の訳が『レンブラントの世紀』として出版されていたので、もしかすると昔はそういう呼び方多かったのかな
  • nix in desertis:書評:『世界哲学史』7・8巻(ちくま新書)

    5・6巻の書評はこちら。 7巻「近代Ⅱ 自由と歴史的発展」 19世紀を扱った巻。よく19世紀が1冊に入りきったなというのが読む前の印象で,やっぱり無理があったかなというのが読後の印象である。サブタイトルの通り,大テーマはほぼヘーゲルとマルクスであって,その通りに論じているのはテーマ紹介の第1章の他,2〜4章まで。それもヘーゲルとマルクスを直接扱っているのは4章のみだった。後述するが,巻のサブタイトルは「啓蒙思想・観念論からの跳躍」とした方が実態に即していた。なぜこのサブタイトルになったのか,第1章を読んでも理解できない。 個々の章で面白かったのは第3・4章。3章はショーペンハウアーとニーチェについて。ショーペンハウアーの思想は全然詳しくなかったのだが,章で得た理解だけで言えば,章自身でそう触れられている通り,ものすごく仏教思想に近くて驚いた。ショーペンハウアーがどの程度インドに触れて

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    shigak19 2021/02/12
    途中分析方法と語り口が完全に「絶対に解けない」シリーズと化していてさすがに笑ってしまった。番外コラムか何かで再録して欲しい
  • nix in desertis:書評:『世界哲学史』1〜4巻(ちくま新書)

    ちくま新書の全8巻の哲学史の解説書。編者は4人だが,著者は章ごとに異なり,1巻あたり10章で構成されているから10人以上の著者が参加している(これにコラムも3〜4つずつ入っていて,これも著者が異なる)。こうした著者が章ごとに異なる書籍にはありがちなことだが,コンセプトや想定読者の理解力における統一感が巻ごとで大きく異なり,それがそのまま巻ごとの読みやすさに直結している印象。「世界哲学史」という大上段なコンセプトに挑み,自らの専門分野の持つ共時性や歴史的意義にアプローチしている著者もいれば,自分の最近の論文そのままで手を加えてないじゃろという著者もいた。著者の責任なのか編者の責任なのかはわからないが,せっかくコンセプトが面白いのにもったいない不統一であると思う。 1巻「古代Ⅰ 知恵から愛知へ」 人類文明が成立してから「枢軸の時代」を通じて,紀元前1世紀頃まで。サブタイトルの通り,そもそも人類

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    shigak19 2021/01/22
    一部積読中
  • nix in desertis:高校世界史の教科書で「ニューディール」をいかに扱うか

    高校世界史深掘りシリーズ。一般にフランクリン=ローズヴェルト政権がとったニューディール(政策)はアメリカ経済を回復させ,世界恐慌からの回復を実現したというイメージを持たれていると思われる。実際にはアメリカは1937年の秋頃に再度不況に突入し,1938年には二番底を経験している。ニューディールは議会と司法の抵抗により当初の想定よりも小規模でしか実現されず,十分な効果を発揮することができなかった。司法の抵抗としてはNIRAの違憲判決が有名であろう。議会は共和党はもちろん,民主党も南部の保守派が強く抵抗した。ちょうど民主党がリベラル旋回の途上にあって,伝統的な民主党の党員と亀裂が生じていた時期と重なっていたというのは見過ごされがちであるかもしれない。結局,アメリカが世界恐慌からの完全な脱却に成功したのは第二次世界大戦による軍需拡大の貢献が大きい。 しかし,ではニューディールの歴史的意義が過大評価

    shigak19
    shigak19 2021/01/22
    いつもながら丁寧なお仕事で、逆に諸説ではなく力点でも工夫のしようは色々あるのだなと/日本現代史の方で、初期占領政策の「ニューディーラー」の存在という話題は割と昔からある訳だが最近どうなってるのかな
  • nix in desertis:四国百名山登山記(四国剣山・石鎚山)

    11月末に四国に行ってきた。2020年は西日に行ってばかりである。メンバーは頬付としいかあ。初日は車で大阪・神戸を素通りし,明石海峡大橋・大鳴門橋を通って四国に上陸,徳島県を横断して一気に四国剣山まで。徳島県の内陸部は吉野川から少し外れると途端に道が狭くなった。山道の自動車道が狭いのは特に驚くことではないが,徳島県の場合はまだ集落が残っていて生活道路に分類できそうな段階からすでに1車線になり,行政区分でいうと「つるぎ町」のエリアは道がひどかった。運転手の頬付が(慣れた感じではあったが)困惑していた。四国剣山は登山道入り口までの難度が全行程で一番高い気がする。 ともあれ四国剣山は長い長い山道が続くだけあって,自動車で標高1420mまで登ることができる。しかも来ならそこからリフトで1750mまで上ってしまえるのだが,リフトは雪がちらついたら停止してしまうそうで,2020年は11/23に休業

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    shigak19 2020/12/31
    愛媛で鯛めしは意外だったのと、みかん大福ってベタっぽくて成程意外に美味しいのかと。
  • nix in desertis:二次元に融解する都市・東京(MANGA都市TOKYO展)

  • nix in desertis:鳥取旅行記(伯耆大山),主に大山寺参道の魅力について

    今年の旅行旅行記は今年のうちに片付けたい,ということでいそいそと書いていく。9月の連休で鳥取県の伯耆大山に行ってきた。この9月の連休は東日が曇り空と予報されていたため,晴れを求めて西に行こうという話になり,百名山から候補地を探してここになったという形である。同行者はいつもの頬付(@hoozuki37)としいかあ(@c_shiika)。以下に説明するように,登山としても楽しかったが,それ以上に伯耆大山と大山寺参道は総合的なコンテンツにあふれる山だった。以下,順に説明していく。 伯耆大山は伯耆富士の異名もある通り,見る角度によっては単独峰になって非常に形が美しい。見る角度によっては,というのがミソで,実は地図で確認すると南東90度くらいで蒜山高原の方向に山脈が連なっていて,純粋な単独峰というわけではなかったりする。しかも富士山のような綺麗なお椀型というわけでもなく,北側はU字型に大きくえぐ

    shigak19
    shigak19 2020/12/30
    これはまた力作。
  • nix in desertis:京都旅行記2020(萬福寺・愛宕山・モロッコ料理・渉成園)

    頬付が京都に用事があるというので,10月末に便乗して京都に行ってきた。初日はしいかあさんと二人で宇治・伏見に行き,二日目に合流。二日目の夜にしいかあさんと別れて,三日目は頬付と行動し,頬付とは京都で解散して一人で帰宅した。 初日の行動は黄檗宗総山の萬福寺に行った以外はほぼ過去に二度行った宇治・伏見旅行(2017年・2019年)と同じなので旅程を大幅に省略する。伏見稲荷は2017年の時は夜間で,しかもタイムリミットがあっために四の辻の手前までだったため,今回はきっちりと登頂した。忘れ物を回収した気分である。千鳥居は木製なので30年もすると朽ちてしまう。それがゆえに新陳代謝が激しく,あれだけにょきにょき生えているのに土地不足にならないのだ,というのは今回鳥居の制作年を観察しながら登っていて発見した。それでも現在のように麓から山頂まで隙間なく立っているのは少なくとも近代になってからのようで,

    shigak19
    shigak19 2020/12/30
    今年初めて落語「愛宕山」をしっかり聞いた身としてはしいかあさんの記事に続き実際にはこういう所なのね、と興味深く/しかし京都に本格的なモロッコ料理店があるとはなあ
  • nix in desertis:大学入学共通テストの第二日程騒動について

    ・大学入学共通テスト 来年1月16日から予定どおり実施へ 文科省(NHK) ・共通テ、校長判断で第2日程選択(共同通信) 情報を整理すると, ◯通常の共通テストは1/16-17で実施。浪人生は原則として全員こちらで受験。 ◯第二日程として1/30-31でも実施。基的には通常日程で受験できなかった人のための追試だが,現役生に限り,通常日程を回避してこちらを試に選択可能。ただし,「新型コロナウイルスによる休校等で学習が遅れたため」という理由に限られ,第二日程を試験に選択するためには所属高校の校長の許可が必要。 ◯さらに特例追試験として2/13-14でも実施。第二日程を試験として出願したが,「新型コロナウイルスに感染した」等の理由で受験できなかった人のみが受験可能。ただし,特例追試験の問題は共通テスト型ではなく,旧来のセンター試験型になる。 ということになる。つまり,現役生は第一日程を

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    shigak19 2020/11/18
    特例追試験の中身がなんと「旧来のセンター試験型」とは知らなんだ。ちょっと公平性の維持どころではない凄まじい状況になっているなあ
  • nix in desertis:『ホーキーベカコン』全3巻(原案:『春琴抄』,漫画:笹倉綾人)

    原案は谷崎潤一郎の『春琴抄』。ただし,よく見ると原作ではなく「原案:『春琴抄』」になっているように,大きくアレンジが入っている。あえて断言してしまうが,これは最高のリメイクである。『春琴抄』と『ホーキーベカコン』はどちらを先に読んでもいい。しかし,被虐嗜好を持つ主人公の佐助はともかく,春琴の描き方がかなり違うので,個人の好き嫌いはあれ,どちらを先に読むかで印象が変わってくると思われる。 そう,最も大きく異なるのがもう一人の主人公,春琴である。『春琴抄』の春琴は20世紀末以降の目線で言ってしまえば割とよくあるタイプの暴力系高飛車お嬢様ツンデレであって,そこに目新しさはない。昭和8年の作品に現代の目線から目新しいも何もなかろうとは思うが,『春琴抄』は加虐趣味・被虐趣味を前近代的な主従関係と重ね合わせ,文字通りの盲目的な愛に昇華させたことに焦点が当たっていて,春琴のキャラクターが作品の焦点という

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    shigak19 2020/10/12
    ちょうど書店で「あれ、何で『春琴抄』が何冊もあるのかな?」と思っていたところなので有難い解説
  • nix in desertis:日時指定された異世界へ(ロンドン・ナショナル・ギャラリー展)

    Twitterで流れてきたTweetに「美術館とは,気軽に行ける異世界だった。日時指定で行けるようになっても気軽さがない」というものがあって,非常に強く同意していた。なんとなく美術館に行くのが億劫になっていたが,それを言語化できずにいたところであったので,まさに我が意を得た言葉であった。それでも異世界への思いは絶ち難く,重い腰を上げてイープラスのアプリを起動して,やっと行ったのが西美のロンドン・ナショナル・ギャラリー展であった。 展は展示数が61点と少なかったが,非常に豪華だった。こういう海外の大規模美術館から借りてくる時は目玉展示が数点,後はまあ……ということになりがちであるが,今回は紛れもなく端から端まで目玉展示になるものがそろっていて,極めて満足感が高い。コロナ禍に巻き込まれて全然集客できていないのが非常にもったいない。ついでに言うと,宣伝もゴッホに偏っていたのはちょっともったいな

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    shigak19 2020/08/16
    成程音楽や演劇映画は混雑しない代わりに「日時指定」の指定席か/「イギリスのスペイン絵画受容がナポレオン戦争を契機としているからだそうで,であれば確かにグランド・ツアーの後に持ってくるのが正しい」