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ブックマーク / kazu-yamamoto.hatenablog.jp (16)

  • さようなら遅延評価 - あどけない話

    Haskellがとっつきにくい原因の一つに遅延評価がある。入門書では、無限リストと遅延評価がことさら強調される。しかし、Haskellを業務で使ってみると、遅延評価が煩わしくなってくる。遅延評価なしでもほとんどのことは実現できるし、メモリーの使用量は推測できないし、あまりいいことはない。 Haskellの評価戦略が、他の言語と同じように正格評価だったらよかったのに。 今まで、このようなセリフを何度聞いたか分からない。 そもそも遅延評価が役立つことはあるのだろうか? ある。お世辞抜きに、少なくとも以下の3つでは当に役立つ。 リスト(あるいは類似のデータ構造)処理 純粋性に対する暗黙のテスト 効率的なCAS 1.はよいだろう。2.は純粋さを守るために必要だが、コンパイラを開発する人にとって重要なのであり、ユーザには関係ない。3.は、並行プログラミングの奥義である。atomicModifyIO

    さようなら遅延評価 - あどけない話
    slash_01
    slash_01 2019/02/16
    なんてこった。
  • Haskell の Monad とは言語内DSLのフレームワークである - あどけない話

    この記事は、Haskellを勉強してある程度分かったけど、Monadで挫折した人のための記事です。10分間で、Monadに対する納得感を得ることを目的としています。他の言語でいう「モナド」にも通用する内容ですが、Haskell の文法や用語を用いますので、他の言語の利用者に分かるかは不明です。 Haskellを勉強したのですから、 代数データ型 型クラス は分かっていることにします。Monad は、単なる型クラスの一つで、それ以上でもそれ以下でもありませんから、この二つが分かってないと話になりません。 また、言語内DSL(以下、DSLと略記)という考え方を知っていることも仮定します。Monad とは、DSLのフレームワークという直感を与えるのが、この記事の主眼ですからね。 さらに、構造化定理をいう単語を聞いてもビビらない人を想定しています。逐次、反復、分岐があれば、計算しうる計算はすべて記

    Haskell の Monad とは言語内DSLのフレームワークである - あどけない話
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    slash_01 2015/02/12
  • Haskell Relational Record をリリースしました - あどけない話

    Haskell Relational Record (HRR)尻叩き担当の山です。この記事では、HRR のリリースについて説明します。 なお、これは Haskell Advent Calendar 2014 の25日目の記事です。 HRR とは何か? HRRは、日比野さんが中心となって開発が進められている関係代数ライブラリです。Haskellで式を書くと、それがSQL文に変換され、データベースに問い合わせた結果が Haskell のレコードになります。以下のような特長があります。 抽象的:高レベルな式で表現すると、SQLが生成されます。対応している SQLサーバは、DB2、ProsgreSQLSQLiteMySQLMicroSoft SQL Server および OracleSQL です。 型安全:HRRの式を書いたHaskellのコードがコンパイルできれば、必ず正しいSQL文が生

    Haskell Relational Record をリリースしました - あどけない話
  • Real World Haskell の古いところ - あどけない話

    Real World Haskell の内容が古くなってきたので、どこが古いかとか、それに変わる新しいものは何とか、まとめたいと思う。 Real World Haskell―実戦で学ぶ関数型言語プログラミング 作者: Bryan O'Sullivan,John Goerzen,Don Stewart,山下伸夫,伊東勝利,株式会社タイムインターメディア出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2009/10/26メディア: 大型購入: 8人 クリック: 245回この商品を含むブログ (76件) を見る 1章 始めましょう 今でも通用する。 2章 型と関数 今でも通用する。 3章 型を定義し、関数を単純化する 今でも通用する。 4章 関数プログラミング ghc に --make オプションはもう不要。 5章 ライブラリを書く 5.14節では、"runghc Setup build" の

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  • 書評「型システム入門」 - あどけない話

    端的に説明するなら「正しく型付けされた項はおかしくなることがない」ことを学ぶための壮大な。型に関する圧倒的な知識を持ち、説明がうまく、根気づよい人にのみ記すことができた英語の良書が、型システムを愛する訳者と監訳者、および(書中に名前が出てくる方も含む)豪華なレビュアの情熱によって翻訳された記念すべき書籍。税抜きで6,800円と高いが、それ以上の価値があるである。 型システム入門 −プログラミング言語と型の理論− 作者: Benjamin C. Pierce,住井英二郎,遠藤侑介,酒井政裕,今井敬吾,黒木裕介,今井宜洋,才川隆文,今井健男出版社/メーカー: オーム社発売日: 2013/03/26メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 68回この商品を含むブログ (11件) を見る 動的言語のプログラマと静的型付き言語のプログラマの間で、型についての議論が定期的に沸き上がる。今後、

    書評「型システム入門」 - あどけない話
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    slash_01 2013/04/07
  • [OCaml]書評「プログラミングの基礎」 - あどけない話

    僕はよく「関数プログラミングの入門書には何がいいか」という質問を受ける。そのときは必ずこの(と他のいくつか)を答えるようにしている。書評を書いたつもりになっていが、検索してみると書いてないようなので、反省して良書を紹介してみようと思う。 プログラミングの基礎 ((Computer Science Library)) 作者: 浅井健一出版社/メーカー: サイエンス社発売日: 2007/03/01メディア: 単行購入: 17人 クリック: 409回この商品を含むブログ (127件) を見る 書はプログラミングの経験のない人を対象としており、書名通りプログラミングの基礎が説明されている。使用する言語は OCaml である。著者の浅井先生は、お茶の水女子大学でプログラミングを教えている。授業の経験を元にしたにはよくあることだが、内容が実に整然としており、例題がこなれている。 初心者を対象と

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  • Haskellの単体テスト最前線 - あどけない話

    この記事の最新版は、githubで管理されています。 これはHaskell Advent Calendar 2012の5日目の記事です。 Haskellで作成したパッケージに対して、単体テストを書くための最新情報をお届けします。 要約 要点は4つです。 利用者に見せたい振る舞いは、doctest で書く 利用者に見せたくない振る舞いは、hspec で書く テストを自動化するフレームワークとしては Cabal を使う doctest でも hspec でも、純粋なコードに対しては、できるだけ QuickCheck などの性質テストを書く この記事で一番伝えたいのは、3) です。例題としては、Base64 という符号化を取り上げます。Base64 は知っていると仮定して話を進めますので、知らない人はあらかじめ Wikipedia の Base64 の説明でも読んで下さい。 この記事で利用するコ

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  • Haskellの文法(分岐編) - あどけない話

    僕が Haskell を学び始めた頃、Haskell の文法はすんなりとは頭に入ってきませんでした。もともと僕はプログラミング言語の学習能力が低いので、僕だけかもしれませんが、「はじめからこう言ってもらえれば分かったのにぃ」ということを書きます。 はじめの一歩 分岐は case で書きます。以下に Maybe a に対する例を書きます。 case mx of Just x -> ... Nothing -> ... 念のため、Maybe a の定義も見てみましょう。 data Maybe a = Nothing | Just a 列挙されているデータ構成子を case に列挙できることが分かるでしょう。このように、case でマッチできるのは、データ構成子で表現されたパターンになります。 ワイルドカード たとえば、以下のような型を定義したとします。 data Foo = A | B | C

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  • Haskell から見た node.js - あどけない話

    誤訳 以前、「サーバサイドJavaScriptのNode.js、最初はCやHaskellを検討し失敗。開発者ライアン・ダール氏へのインタビュー」という記事が twitter で話題になっていました。 ―― なぜJavaScriptを選んだのでしょう? ダール氏 実は最初は違いました。最初はC、Lua、Haskellなどで失敗していました。そんなときV8(Chromeが採用しているJavaScriptエンジン)に気がついて、やろうとしていることに対してJavaScriptが完璧な言語だと突然ひらめいたのです。 ただでさえ、Haskell は遅いと誤解されているのに、このような悪意さえ感じらえる訳だと、さらに誤解が深まりそうです。原文にはこう書かれています。 Dahl: Originally I didn’t. I had several failed private projects doi

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  • Haskellと副作用 - あどけない話

    よく、Haskellには副作用がないと言われるが、それは間違いだ。確かに、Haskell には状態の変化(あるいは再代入)という副作用はない。しかし、入出力という副作用はある。この記事では、Haskell の副作用に対して、命令型プログラマーにすっきりと理解できる説明を試みたいと思う。 間違った方向への第一歩 Haskell の副作用に関する典型的な説明は、こんな感じだ。 Haskell にはあらゆるレベルで副作用がない。そのため、遅延評価が可能になる。遅延評価では、コードが記述順に実行/評価されるとは限らないので、入出力と相性が悪い。そこで、IO モナドが導入されている。IO モナドのおかげで、入出力に関するコードは記述順に実行され、外界に作用できる。 この説明を聞いて理解しろという方が無理である。説明が苦しい最大の理由は、Haskell にはあらゆるレベルで副作用がないと、間違った一歩

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  • 例題で比較する状態系のモナド - あどけない話

    金曜日に状態系のモナドを説明しないといけないので、例題を書いて比較できるようにしておきます。 呪文として、以下のモジュールを読み込んでおきましょう。 import Data.Char import Control.Monad.Identity import Control.Monad.Reader import Control.Monad.Writer import Control.Monad.State Identityモナド 入力が一つで、出力が一つのモナド。面白みはない。 i :: Identity Int i = do x <- return 2 y <- return 3 return $ x * y でも、モナドは Haskell の中に住むマイクロ言語で、このマイクロ言語でマイクロプログラムを作成した後は、run で実行するものだというイメージは分かるかも。 > runIde

    例題で比較する状態系のモナド - あどけない話
  • QAで学ぶMonad - あどけない話

    この記事は、Monad でつまづいた Haskeller のための Monad 再入門です。 Monadとは何ですか? Monad とは、単なる型クラスの一つです。難しいという風評もありますが、それ以上でもそれ以下でもありません。 この型クラスのメソッドは、return と >>= です。 class Monad m where (>>=) :: m a -> (a -> m b) -> m b return :: a -> m a つまり、以下を満たす型の集合が Monad です。 m a で表現できるように一つの型変数を格納するコンテナ型 >>= と return を実装 return は新しいコンテナを作り、>>= は二つのコンテナを合成します。 Monad のインスタンスは失敗系と状態系に大別できます。以下に代表的なインスタンスを示します。 失敗系: Maybe、[] (リスト)

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  • Emacs での Haskell プログラミングを幸せにする - あどけない話

    前から予告していましたが、Emacs での Haskell プログラミングを幸せにするプロジェクトを開始しています。ゆくゆくは、haskell-mode を置き換えたいのですが、とりあえず haskell-mode と共存して、補完とドキュメントの閲覧が幸せになるコードをリリースします。 まだ、プロジェクトのページを作っていないので、コードは一時的にここに置いておきます。 補完 (M-TAB) 行頭では、行頭に来るべき予約語(import とか)の補完ができます import の後では、モジュール名(Data.List とか)の補完ができます。 その他の場所では、予約語(where とか)、関数名(foldr とか)、型名(Bool とか)などの補完ができます。 cabal などを使ってインストールしているモジュール名が補完対象となります。つまり、ghc-pkg が表示してくれるパッケージ

    Emacs での Haskell プログラミングを幸せにする - あどけない話
  • cabalコマンドの使い方 - あどけない話

    Cabal は Haskell のパッケージ管理システムです。枠組みとしての Cabal と、コマンドの cabal があり、間違いやすいです。 Cabal は、パッケージをコンパイルし、インストールする枠組みです configure, make, make install に相当 cabal は、パッケージの依存関係を調べ、必要なパッケージをダウンロードして、インストールするためのコマンドです cabal-install と呼ばれることもあります ここでは、コマンド cabal の使い方を説明します。 インストール 各 OS のパッケージ管理システムを使って cabal をインストールしましょう。GHC を扱っているパッケージ管理システムであれば、cabal にも対応しているはずです。 MacPorts では、以下のようにします。 % sudo port install hs-cabal

    cabalコマンドの使い方 - あどけない話
  • 最高のHaskell入門書 - あどけない話

    輪講で「Programming in Haskell」をようやく読み終えました。このは、最高のHaskell入門書といって間違いないでしょう。 Programming in Haskell 作者: Professor Graham Hutton出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2007/01/18メディア: ペーパーバック購入: 2人 クリック: 67回この商品を含むブログ (22件) を見る 一緒に Haskell のを何か読もうという話が、友達との間で出たとき、最初は「The Craft of Functional Programming」にしようかと思っていました。ただ、出版社の人から「Programming in Haskell」を勧められたことがあったので、二冊を友達に提示したところ、直感で「Programming in Has

    最高のHaskell入門書 - あどけない話
  • Emacs Lisp の構造化 - あどけない話

    忌み嫌われているグローバル変数/関数をなるべく使用しないために、もう一つ小さな空間を用意している言語があります。僕のイメージでは、この空間はゆりかごです。ゆりかごの実現方法として、以下のようなものが挙げられるでしょう。 C++Java ならクラス JavaScript なら関数、あるいはオブジェクト・リテラル Scheme なら手続き(関数) Emacs Lisp も Lisp なんですから、ある関数をゆりかごにして、中に関数を定義したいところです。でも、これはできません。さて、どうするかという話です。 defun で defun defun の中で defun したいところですが、これはうまく行きません。外側の関数が実行されると、内側の関数がグローバル空間に定義されてしまうからです。 (defun foo (n) (defun bar (n) (1+ n)) (bar n)) (fbo

    Emacs Lisp の構造化 - あどけない話
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