早いもので1月も終わりが近づいてきました。朝晩は最も冷え込む季節。暖かくした部屋でゆっくり本を読み、いつしかうとうと眠りに落ちるのもまた読書の醍醐味のひとつですね。 今週も良い本がたくさん入荷しております。 今週まずご紹介したいのが、幻の漫画の復刻版『ちひろのお城 千明初美作品集』。『黄色い本』や『ドミトリーともきんす』などでおなじみの漫画家・高野文子さんが全面的に企画・監修を担当され、書籍のカバーデザインや帯文まで手がけられた、愛に満ちた一冊です。70年代後半にたった3冊の単行本が刊行されたきり、長らく陽の目を見ることのなかった千明(ちぎら)さんの少女漫画は、学童期や思春期を迎えた少年少女たちの繊細で多感な心の交流と成長を生き生きと描いたもので、収められた5編はいずれも名作揃い。高野さんが『黄色い本』を書き上げたあと、自身の作品にその影響が色濃く反映されていることを自覚されたという「お二