米議会が4月、ロシアに侵略されたウクライナの支援に向けて総額約610億ドル(約9兆4000億円)の緊急予算案を通過させ、約半年間も停滞していた米国の軍事支援がようやく再開された。だが、この間に戦況はロシア優勢に傾斜した。北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、ロシアの欧州侵略阻止にはウクライナの勝利が不可欠だとして、支援の立て直しと対露防衛態勢の確立を急ぐ。 6カ月間の支援空白、露が優勢に「米国の支援は、ウクライナが第二のアフガニスタンにはならないという強烈なシグナルをクレムリン(露大統領府)に送ることになる」 ウクライナのゼレンスキー大統領は、米下院が緊急予算案を通過させた直後の4月21日、米NBCテレビの報道番組に出演し、米国に謝意を表明した上でこのように強調した。