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ブックマーク / blog.tatsuru.com (12)

  • 内田樹の研究室

    ローカリズム宣言 地方移住のための情報誌「TURNS」で2年間ほど連載していたインタビューを採録しました。グローバル資主義の終焉、少子高齢化による過疎化と限界集落化という現実を踏まえて、「地方移住・帰農・山河の回復」というオルタナティブについて提言をしております。 昨日うかがった話では、地方移住支援のためのある NPO の窓口を訪れた人は去年一年で 25,000 人、10 年前の 10 倍にのぼるそうです。半数以上が 20 代 30 代とのこと。 この趨勢はもう止まることがないでしょう。 デコ/2017-12-07 変調「日の古典」講義 安田登さんと二人であちこちで行った対談の集成。話題は『論語』から能楽まで多岐にわたります。安田さんが何か驚くべきことを言うとこちらも負けじとさらに驚くべきことを言い、安田さんがそのような挑発を受け流すはずもなく、さらに驚くべき話で切り返す・・・という悪

  • 日本語って変かも - 内田樹の研究室

    大学院のゼミ、今季は「日辺境論」である。 日の地政学的辺境性あるいは文明論的辺境性という補助線を引くことによって、日の「ありよう」を再解釈しようという野心的な企てである。 第一回目の発表はイハラさんの「外来語」。 これはなかなかすぐれた着眼点である。 というのは、日語は外来語に対して、世界の諸国語の中でも例外的に開放的な言語だからである。 原日語(大野晋先生によれば、もとはタミル語だそうであるが)に漢字が入り込み、さらに近代になってヨーロッパの言語が入り込んできた。 私たちの使う言語には、それらが混在している。 どうして、漢字カタカナひらがな alphabet が並存するような言語が成り立ちうるのか。 こういうことは、あまりに当たり前なので、ふだんは私たちはあまり考えない。 それについて考えてみる。 このタイプの混淆言語は巨大な文明圏の周辺部分に生まれる。 朝鮮半島もインドシナ半

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    taskapremium 2021/04/02
    ある種の少女マンガでは「ふきだし」の中の漢字にルビが振られていないことがある(岡崎京子とか岡野玲子とか)。するとどうなるか。読むのが遅くなるのである(当たり前だね)。画像記号の処理を、「絵」について>
  • 低移民率を誇る「トランピアンの極楽」日本の瀕死 - 内田樹の研究室

    「ワシントンポスト」が 8 月 29 日に日特派員からの衝撃的な記事を掲げた。原文はこちら。https://www.washingtonpost.com/opinions/2019/08/29/japan-is-trumpian-paradise-low-immigration-rates-its-also-dying-country/ 移民流入を劇的に抑制するという極右の願望が実現した場合にアメリカがどんな国になるのか、その一端を知りたければ、日に来て、私の義父に向いの家のことを尋ねたらよい。 この家の持ち主は、日の南部の島にある北九州のこのさびれた労働者階級の住宅地で何年か前に死んだ。家は荒れ果て、朽ちるに任されている。相続した人たちの誰もこの家に関心を持っていない。税金は高いし、このような家についての市場の需要は事実上ゼロだからである。 珍しい話ではない。日の人口の人口は減少

    taskapremium
    taskapremium 2019/09/09
    1950年代からまったく進歩のないジェンダーロールの固定化が加わって、日本は女性たちが子供を産む上で最も魅力のない場所になった。低出生率は人口学的な死のスパイラルをひたすら加速する。>
  • そして僕は途方に暮れる - 内田樹の研究室

    銀色夏生さんと会う。 三宮の丸井の前で待ち合わせて、「やや、どうも」などと片づかない挨拶をしつつ Re-set へ向かったが、なんと休業。 あらま。 「ややや、これは失礼」とさらに片づかない表情になって、次の候補であった「グリルみやこ」へ向かう。 グリルみやこは実はなかなかむずかしいロケーションにあって、私はかつて一度るんちゃんを連れて行って、ついにここにたどりつけなかったことがある。 そのときに、グリルみやこへの地理については空間的表象を断念して、「西村珈琲の角を曲がって左に折れる」という言語的な記憶を以後のよすがとすることにした。 銀色さんとてくてくと中山手通りを西に歩いてゆくが、行けども行けども西村珈琲がない。 とうとうNHKの前まで来てしまった。 これは行き過ぎ。 通りすがりの人に「あのー、西村珈琲ってどこでしたっけ?」と訊ねる。 この段階で銀色夏生さんの表情に「このひとについて行

    taskapremium
    taskapremium 2018/11/29
    #nhk_suppin 銀色さんは二十歳少し過ぎた頃、実家で寝ころんでテレビの歌番組を見ているときに「こんな歌詞なら私の方がもっといいものを書ける」と思い(そう思う人間は決して少なくないであろうが1)>これは凄いな。
  • 直言3月号「韓国の教育と日本のメディア」 - 内田樹の研究室

    山形新聞に隔月連載しているエッセイの3月分。今回は韓国教育改革について書いた。 韓国に毎年講演旅行に出かけている。ご存じないと思うけれど、私の著作は教育論を中心に十数冊が韓国語訳されていて、教育関係者に熱心な読者が多い。ここ三年ほどの招聘元は韓国教育監である。見慣れない文字列だと思うが、日とは教育委員会制度が違っていて、韓国は全国が17の教育区に分割されていて、それぞれの区での教育責任者である教育監は住民投票で選ばれているのである。 数年前にこの制度が導入された結果、多くの教育区で教員出身の教育監が誕生した。彼らは自身の教員経験を踏まえて、できるだけ教員たちを管理しないで、その創意工夫に現場を委ねるという開明的な方針を採った。その結果、日ではまず見ることのできない自由な校風の公立学校が韓国の各地に続々と誕生している。 そういう歴史的文脈の中で、私のような人間が各地の教育監に公式に招

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    taskapremium 2018/03/18
    日本ではまず見ることのできない自由な校風の公立学校が韓国の各地に続々と誕生している。そういう歴史的文脈の中で、私のような人間が各地の教育監に公式に招聘されて、教員たちを前に講演をするということが起き>
  • New York Times AIIBについての記事から - 内田樹の研究室

    4月2日のNew York Times の記事を訳した。 AIIBの意味について、日のメディアは取材も分析も足りないと思う。 AIIBへの不参加が客観的な情勢判断に基づいて「国益に資する」としてなされた決定であるなら、それがひとつの政治的見識であることは私も認める。 けれども、その決定の根拠が「アメリカによく思われること」であるというのなら、それは主権国家のふるまいとは言いがたい。 主権国家はまず自国の国益を配慮する。 韓国台湾もオーストラリアもそうした。日だけがしなかった。というかできなかった。 それはこれまで中国を敵視し、メディアを通じて中国のガバナンスは不安定であり、経済的にも後退局面に入っているという「主観的願望」を垂れ流してきたせいで、現実が見えなくなってきたからである。 中国がアジアにおける日の最大のライバルであるというNYTの評価は客観的には適切なものだと思いたい。

  • Twitter と自殺について - 内田樹の研究室

    一般入試 CD 日程。 AB 日程というのが1月29日30日にあって、その合否発表のあとに、2週間ほどおいて次の入試がある。 2月あたまが私学の一般入試の集中時期である。 そのときの合否の発表がもうほぼ終わっている。 2月中旬に行われるこの CD 日程は、さきに第一志望校の受験に失敗した受験生たちの「敗者復活戦」である。 すでに第一次志望校に合格したものは、出願はしたが、実際に受験には来ない。 だから、試験場の座席はけっこう「歯抜け」状態になるのがふつうである。 今年はその「歯抜け度」が小さい。 入学センターの諸君とこの「歯抜け度」の意味について考える。 あれこれ考えたが、やっぱりよくわからない。 この事態を説明する可能性として、いちばん妥当なのは、上位校が合格者を絞り込んできたせいで、現段階でまだ合格通知を手にしていない受験生がかなり多数残っていて、かつ学が「抑え」としてそれなりに高い

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    taskapremium 2014/01/05
    1930年代のドイツの自殺率は実に十万人当たり30人に迫っていた。この事実を「ドイツ人は宗教的・文化的に自殺に対して抵抗が少ない」という仮説を以て説明した場合、多くのドイツ人は不満げな表情を示すだろ>
  • 日本のシンガポール化について 実態 (内田樹の研究室)

    「シンガポールに学べ」という論調をよく見かける。 今朝の毎日新聞にもそういう記事が出ていた。 こんな記事である。 シンガポールの高級住宅街に一人の米国人移民が暮らす。ジム・ロジャーズ氏(70)。かつてジョージ・ソロス氏と共にヘッジファンドを設立。10年間で4200%の運用成績を上げたとされる伝説的投資家だ。市場は今もその言動を追う。 「シンガポールは移民国家だからこそ、この40年、世界で最も成功した国となった。移民は国家に活力や知恵、資をもたらす」。プールサイドで日課のフィットネスバイクをこぎながら熱弁をふるう。 シンガポールの人口531万人のうち4割弱が外国人。超富裕層から肉体労働者までさまざまな移民を積極的に受け入れる。少子化にもかかわらず人口は過去10年で100万人以上増えた。1人あたり国内総生産(GDP)は2012年は世界10位。5万ドルを超え、日をしのぐ経済成長を遂げる。「外

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    taskapremium 2013/08/22
    労働組合は事実上存在しない、大学入学者には政府が思想統制してるので学生運動がない。治安法があり礼状無しに逮捕し、無期限に勾留。メディアも政府が統制>シンガーポールってなぜかネガティブな面は報道されない
  • マンガ脳 - 内田樹の研究室

    大学院で「マンガ」の話をする。 日語と日の宗教の「辺境性」についてのプレゼンテーションだったのだが、いつのまにか「日人の脳」の話から、マンガの話になってしまった。 日語は「漢字とかなを混ぜて書く」言語である。 漢字は表意文字であり、かなは表音文字である。 この二つを脳は並行処理している。 アルファベットは表音文字であるから、欧米語話者はそんな面倒なことはしない。 けれども、そのせいで変わったことが起きる。 表意文字は「図像」であり、表音文字は「音声」であるから、これを記号処理する脳の部位は当然違う。 失読症というのは、脳の疾患によって文字が読めなくなる症状である。 欧米語話者は失読症になると、まったく文字が読めなくなる。 しかるに、日語話者は二種類の病態をとる。 漢字が読めなくなって、かなだけが読める症状と、かなが読めなくなって、漢字だけが読める症状である。 それから、漢字を読ん

  • ウチダバブルの崩壊 (内田樹の研究室)

    ブックファーストの川越店の店長さんが、「池上バブル」について書いている。 http://www.ikkojin.net/blog/blog6/post-2.html きびしいコメントである。 とくに以下に書かれていることは、かなりの程度まで(というか全部)私にも妥当する。 書店「バブル」になった著者は、自分の持っている知識なり、考え方が他の人の役に立てばとの思いでを出すのだと思うのですが、そうであるならばなぜ出版点数を重ねる度に、「なんで、こんなにまでして出版すんの?」と悲しくなるようなを出すのでしょう。 すべて「バブル」という空気のせいだと思います。 このクラスの人にお金だけで動く人はいないと思います。 そうでなくてせっかく時代の流れがきて、要請があるのだから、全力で応えようという気持ちなのだと思います。 けれどそれが結果、の出来に影響を与え、つまり質を落とし消費しつくされて、著者

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    taskapremium 2012/11/06
    この稿の結論はもうご理解いただけたであろうが、「ゲラは編集者のみなさんの手元には、ご期待の期日までには決して届かないであろう」ということである。 申し訳ないが、しばらく「塩漬け」にさせていただく。>
  • 地方紙の存在意義について - 内田樹の研究室

    10月29日朝日新聞の朝刊オピニオン欄に、アメリカの地方新聞の消滅とその影響についての記事が出ていた。 たいへん興味深い内容だった。 アメリカでは経営不振から地方紙がつぎつぎと消滅している。 新聞広告収入はこの5年で半減、休刊は212紙にのぼる。記者も労働条件を切り下げられ、解雇され、20年前は全米で6万人いた新聞記者が現在は4万人。 新聞記者が減ったこと、地方紙がなくなったことで何が起きたか。 地方紙をもたないエリアでは、自分の住んでいる街のできごとについての報道がなくなった。「小さな街の役所や議会、学校や地裁に記者が取材に行かなくなった」 「取材空白域」が発生したのである。 カリフォルニアの小さな街ベルでは、地元紙が1998年に休刊になり、地元のできごとを報道するメディアがなくなった。 すると、市の行政官は500万円だった年間給与を十数年かけて段階的に12倍の6400万円まで引き上げた

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    taskapremium 2011/10/30
    市の行政官は500万円だった年間給与を十数年かけて段階的に12倍の6400万円まで引き上げた。市議会の了承も得、ほかの公務員もお手盛りで給与を増やしていた。でも住民はそのことを知らなかった。>
  • 人間はどうして労働するのか - 内田樹の研究室

    『日の論点2010』(文藝春秋)が届いた。 そこに「労働について」一文を寄せている。 こんなことを書いた。 「働くとはどういうことか」 編集部から「働くとはどういうことか」というお題を頂いた。この問いがトピックとなりうるという事実から私たちはさしあたり次の二つのことを推論することができる。 (1)「働くことはどういうことか」の定義について、現在のところ一義的な定義が存在しない(あるいは定義についての国民的合意が存在しない)。 (2)そのことが「うまく働けない」若い人たちが存在することの一因だと思われている。 だが、「働くとはどういうことか」についての一義的な定義や国民的合意が存在しないことを私は特に困ったことだと思っていない。その理路を述べたいと思う。 人間だけが労働する。動物は当面の生存に必要な以上のものをその環境から取り出して作り置きをしたり、それを交換したりしない。ライオンはお腹が

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