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ブックマーク / magazine-k.jp (26)

  • 献本の倫理

    元『ユリイカ』編集長の郡淳一郎氏が、4月22日、自身のTwitterにて「「御恵贈(投)頂き(賜り)ました」ツイートの胸糞わるさ」から始まる「はしたない」御礼ツイートを批判したことで、献という出版界の慣習に多くの関心が集まった。 郡氏によれば、この種の御礼ツイートには「わたしには、「皆の衆、俺(私)はコネがあるんだぞ、大事にされているんだぞ、偉いんだぞ」というメッセージ」しかない。つづけて、「商業出版されたは商品なのだから、それをタダでもらったと吹聴するのは、はしたないことだと、なぜわからないのか。黙ってを読むことが中抜きされていると感じる」と憤りを露わにする。 はじめに断っておけば、私は郡氏の献観、また書物観や編集観にまるで共感しない。詳しくが後述するが、私が著者として他者に献するさい、その人にもっとも期待しているのはのPRであり、賞讃でも批判でも話題になること、注目が集まる

    献本の倫理
    tettu0402
    tettu0402 2019/04/26
    これは意外と根深い話だよね。
  • ノンフィクション作家はネットで食えるか?

    ノンフィクションの書き手が発表する場(雑誌)が少なくなっているのは、今に始まったことではない。書くメディアの確保とともに、どのように調査・取材のための資金を調達するのかが課題になっている。 この10年近く、少年犯罪や犯罪被害者遺族の取材を中心に取材、執筆を重ねているノンフィクションライターの藤井誠二さんの場合、どのような模索や葛藤があるのか、お話をうかがった。 藤井誠二さんの場合〜有料メルマガをはじめた理由 2016年はテレビ情報誌「テレビぴあ」(ウィルメディア)、情報誌「クーリエ・ジャポン」(講談社)、30代の女性向けファッション誌「AneCan」(小学館)、「小学二年生」(小学館)などが休刊した。一方、新しい雑誌が誕生したという目立ったニュースはなかった。現在は、原稿料をどう得るのかだけでなく、取材費の確保も書き手自身の課題となってくる。以前よりもマネタイズ、マネージメントへの関心が出

    ノンフィクション作家はネットで食えるか?
    tettu0402
    tettu0402 2017/02/15
    「ネットだけで食べていけるのは無理でしょう」。ネットで有名なあの人も、収益をみると困っているというケースが多々あるしな。。。
  • 1円ライターから見た、キュレーションサイト「炎上」の現場(コグチスミカ) « マガジン航[kɔː]

    はじめまして。コグチスミカです。普段は別名義で、小説家、ライターとしてほそぼそと活動しています。現在、1歳児の子育てに奔走中の主婦です。 今回、どうしてもこの件について書かずにはおれず、だれかに知ってほしくて筆を取りました。 この記事を読んだ友人知人は、私がだれだか気づくかも知れませんが、どうか言及しないでいただきたいのです。あなたたちに正体がバレることはなんの問題もなく、むしろ喜ばしくすらあるのですが、クライアントにバレたら失職するかもしれないのです! キュレーションサイト「炎上」を生き延びたライターとして 2016年11月末、DeNAの運営する医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」が、炎上し、公開停止しました。例えば「胃痛 原因」などのキーワードで検索すると、Google検索で必ず上位に表示されていた大手のサイトでした。ですが、その記事の内容は、私たちのような単価の低いライターによって

    1円ライターから見た、キュレーションサイト「炎上」の現場(コグチスミカ) « マガジン航[kɔː]
    tettu0402
    tettu0402 2016/12/09
    ちょいズレるけど。クラウドソーシングのくそ安い単価からのし上がって今はこんな書き手/編集者に、っていうスターダムストーリー(?)を語る人いるけど、あれよろしくないなあって思いました。
  • チーム・パブリッシングの可能性

    新しい自主出版プラットフォーム・サービスを目ざしている米国シアトルのBooktropeが、とりあえず120万ドル(目標230万ドル)の調達に成功した。その「チーム・パブリッシング」というコンセプトは、商業出版を(会社ではなく)インディーズ出版として実現する潜在ニーズにアプローチしている。 出版社なしの商業出版 Booktropeの共同創業者、キャサリン・シアーズ氏によれば、同社のアプローチは「チーム・パブリッシング」あるいは「ハイブリッド・パブリッシング」というコンセプトに集約される。基的には、E-Bookと印刷の編集・販促・流通に関するサービスを提供する。そして小規模なグループで売上をシェアするモデルを提供する。2013年のSeattle Angel Conference で第1位、GeekWire Startup Dayの最終選考にも選出され、20万ドルあまりのエンジェル資金を確保

    tettu0402
    tettu0402 2015/05/27
    執筆者のためのツールは出てきていると思うのだけど、それを売る知見なり仕組みなりはあんまり発展・出回っていない気はする。
  • 床の抜けない「自分だけの部屋」のその後

    が子どもを連れて家を出てからまもなく一年がたつ。それは一人暮らしを始めてからはや一年がたつ、ということでもある。去年の3月初旬といえば、別居が既定路線となっていたころだ。残された日々を淡々と、それでいて噛みしめるようにして、すごしていた。そして3月半ばには、木造アパートから新居へ荷物を移し、下旬にはついに子と別居することになったのだ。一年前のことを思い出すことは今もつらいし、後悔もある。かといってもはや後戻りができないということも事実である。 軌道に乗った再出発 秋以降、「床抜けシリーズ」を書籍としてまとめるべく、加筆修正作業に精を出した。ウェブで書いたものをまとめるという作業にさほど手間はかからないはずだと、取りかかる前は決め込んでいた。 ところが実際、作業に取りかかると膨大な作業量となった。それらの作業をなんとか終えたのは2月に入ってからのことだ。作業完了が思いのほか遅れたため、刊

    tettu0402
    tettu0402 2015/03/02
    床の抜けない「自分だけの部屋」のその後 - マガジン航[kɔː]
  • 日本独立作家同盟がNPO法人化へ

    インディペンデント作家の創作と出版活動を支援 日独立作家同盟は、「マガジン航」でも寄稿者として活躍するフリーライターの鷹野凌さんが2013年9月1日に設立した、インディペンデント作家の創作と出版活動を支援するための団体です。 「マガジン航」では鷹野さんに、これまでに何度か日独立作家同盟と「群雛」について記事を書いていただきました。これらの記事をお読みいただくと、その結成から現在までの経緯がよくわかると思います。 インディーズ作家よ、集え!(2013年10月31日公開) 同人雑誌「月刊群雛 (GunSu)」が目指すこと(2014年1月28日公開) 同人雑誌「月刊群雛 (GunSu)」の作り方(2014年3月31日公開) 上の記事でも紹介されているとおり、日独立作家同盟では雑誌「月刊群雛」を電子版とオンデマンド印刷版の両方で毎月刊行するほか、Google+でのコミュニティや「群雛ポータル

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    tettu0402 2015/02/22
    日本独立作家同盟がNPO法人化へ - マガジン航[kɔː]
  • 楽天Koboライティングライフが日本で開始

    12月18日午前10時、「楽天Koboライティングライフ」のベータ版がリリースされました。7月の東京国際ブックフェアでは「年内リリース」と予告されていたので、「なんとか間に合った」といったところでしょう。リリース当日、渋谷の楽天カフェで行われた記念イベントに行ってきましたが、懇親会では関係者の方々が少しほっとしたような表情だったのが印象的でした。 コンセプトは「出版に自由を」 イベントはまず楽天ブックス事業 副事業部長 田中はる奈氏が、楽天Koboライティングライフのコンセプト「出版に自由を」について説明しました。 ・著者がストレスなく簡単にコンテンツを出版できること ・著者ができる限り多くの読者へアクセスできるようにすること ・著者が自分のを効果的にプロモーションする体制を整えること それを実現するための特徴は、以下の3つとのことでした。 ・価格を無料に設定できる ・独占配信じゃなくて

  • いまなぜ本屋をはじめたいのか

    はじめまして。『BOOKSHOP LOVER』という活動をしております和氣正幸と申します。 この度、『屋入門 ~あしたから屋さん~』というゼミをはじめることになりました。動機は簡単で、 「好きなことがやれる屋をつくりたい。しかも普通の屋じゃなくて面白い屋。でも、ひとりで考えても分からない。じゃあみんなで考えよう」 というものです。いきなりそう言われても何のことやらさっぱりかと思いますのでもう少し詳しく説明しますね。 『屋入門』をはじめます まず、『屋入門』は屋を学び屋をはじめるための、2014年11月末にスタートして2015年2月に終わる予定の全6回のゼミです。 『屋入門 ~あしたから屋さん~』 http://bookshopseminar.tumblr.com/ 講師陣にはの世界の住人たちを招いて現状について語って頂き、その上で自分たちの思う「面白い屋」をやると

    tettu0402
    tettu0402 2014/11/14
    本屋だけでなく、なんというか「セルフビルド」みたいなのに憧れを抱く層は増えてる印象だなあ。あれはなんでだろ。 いまなぜ本屋をはじめたいのか - マガジン航[kɔː]
  • 同人雑誌「月刊群雛 (GunSu)」の作り方

    1月28日に創刊した「月刊群雛 (GunSu) ~インディーズ作家を応援するマガジン~」も、早いもので3号目が発売開始されました。おかげさまでこれまでの号は多くの方々にご購入いただき、たくさんの感想を頂戴することができました。また、直接的、間接的な支援や、温かい応援の言葉もいただきました。この場をお借りして、みなさまに御礼申し上げます。ほんとうにありがとうございます。 さて、創刊の日に「マガジン航」へ寄稿させていただいた「同人雑誌「月刊群雛 (GunSu)」が目指すこと」では、この「月刊群雛」とはそもそもどういう雑誌なのか、どういう目的で作ったのか、どこを目指しているのか、参加条件はどうなっているのかといった概要を説明しました。そこで今回は、実際にどのような形で制作をしているかについてお話させて頂きます。 「月刊群雛」の制作は発売3週前から始まる 「月刊群雛」は、毎月最終火曜日が発売日です

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    tettu0402 2014/03/31
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  • シンポジウム「電子書籍化の波紋」レポート

    東京都写真美術館で行われていた恵比寿映像祭で、2月22日に「電子書籍化の波紋-デジタルコンテンツとしての書籍」と題したシンポジウムが開催されました。これは当日の昼間に放映された、Google Books にまつわる騒動を題材としたドキュメンタリー映画電子書籍化の波紋《グーグルと知的財産》」と連動したプログラムで、グローバル化やデジタル化の波が「知的財産」や「電子書籍」にどのような影響をもたらすかについて、出版社・弁護士・哲学者・政治家などさまざまな立場から論じた内容です。 登壇者は、写真右から福井健策氏(弁護士)、神谷浩司氏(日経済新聞文化部記者・討論司会)、角川歴彦氏(株式会社KADOKAWA取締役会長)、エルヴェ・ゲマール氏(政治家/前フランス経済・財務・産業大臣)、エリック・サダン氏(哲学者/エッセイスト)、ドミニク・チェン氏(株式会社ディヴィデュアル共同創業者/ NPO法人コモ

  • 同人雑誌「月刊群雛 (GunSu)」が目指すこと

    小林恭子さんが「マガジン航」に寄稿した「ロンドン・ブックフェア2013報告」を読んで刺激を受け、私が一人で勝手に「日独立作家同盟」を設立したのが2013年9月1日です。「インディーズ作家よ、集え!」を書いた10月31日ごろには、Google+のコミュニティ参加者はまだ70名くらい、自己紹介(参加表明)の投稿をして参加者一覧に名前を連ねた方が30名くらいだったと記憶しています。 それが、「マガジン航」への寄稿から、一気に参加者が増え、稿執筆時点でGoogle+のコミュニティ参加者が197名、自己紹介(参加表明)の投稿をして 参加者一覧に名前を連ねた方が107名という規模になってきました。「作家同士の助け合いによって互いに研鑽し、素敵な作品を生み出せるような土壌を一緒 に育てていきましょう!」という呼びかけに応えてくれた方々が、これだけ多くいたことを大変嬉しく思います。 「月刊群雛 (Gu

    tettu0402
    tettu0402 2014/01/28
    「無名の個人作家にできるのは、一生懸命やることだけです」。
  • 未来の雑誌企画会議「MoF competition」

    2013年11月30日、大学生による未来の雑誌企画会議「MoF  competition」という公開イベントが開催されました。当日は11組の大学生が出版、メディア関係者の社会人に対し各々が思い描いた未来の雑誌企画のプレゼンテーションを行いました。大学生が出版関係者に対してプレゼンを行うイベントとしては、「出版甲子園」という書籍企画のコンペが既にありますが、雑誌企画で大学生が出版関係者に対して行うプレゼンは前例がありません。 未来の雑誌創発プロジェクトMoFのはじまり そもそも未来の雑誌創発プロジェクトが始まったきっかけは、2013年2月に下北沢の屋B&Bで開催されたイベントでした。その内容は、「N magazine」編集長・島崎賢史郎氏と博報堂ケトル代表・嶋浩一郎氏、起業家・家入一真氏、そして「未来の雑誌創発プロジェクト」発起人の一人であるインプレスHD執行役員・丸山信人氏によるトークイ

  • Bookish買収にみるディスカバラビリティの行方

    ネット時代が到来し、紙でも電子でも欲しいがオンラインで見つかり、すぐに手に入れられるようになった一方で、特に目的もなく屋さんをキョロキョロして「へぇ、こんながあったのかぁ」「わ、これなんだかおもしろそう」「あ、こののこと、このあいだ誰かがよかったって言ってたな」と、今まで読んでみようと思ったことさえなかったを見つける場が少なくなった。 これは「ディスカバラビリティ(discoverability)」と言って、要するにどうやって「未知なるとの出逢い」を補っていくかがこの先の出版事業の課題だ。バーンズ&ノーブルが売れ筋のを大幅にディスカウントするのも、街の屋さんがディスプレイに工夫を凝らすのも、買おうと思っていたの他にも「ついで買い」をしてもらおうと思うからこそ、なのである。 好きのためのSNS Eブックの台頭とともに、そのディスカバラビリティの場として期待されているのが、

  • 自己出版という選択

    いにしえの『ホールアースカタログ』と同様に、私の新刊『Cool Tools(クールツールズ)』は、自己出版したである。このの採算面について、そして既存の出版社を使わなかった三つの理由について説明しようと思う。 第一の利点は、速さである。9月(訳注:2013年)に執筆と編集が終わると、10月にはアマゾンで事前予約が始まった。12月第1週にはアマゾンで(書店でも!)入手可能になる。もしもこのをニューヨークの出版社から出版していたら、今ごろはまだ契約交渉中で、が出るのは来年の夏あたりになっていただろう。 第二には、管理。このは型破りである。正統的な書籍の枠に収まらない。どちらかと言えばカタログみたいなものだ。の大きさも、プロの目から見れば反発を感じる。大きくて折れ曲がりやすいは、運搬が面倒だし、書店の棚にも収容しにくい。出版社としては、大きさを変更してくれないかと要請したくなる。さ

  • K・ケリーの「自己出版という選択」について

    私が翻訳した記事「自己出版という選択」を「マガジン航」に転載していただくことになりました。多くの方に読んでもらう機会ができるのは、ありがたいことです。ここでは、この記事の背景や著者ケヴィン・ケリーについて解説します。転載記事とあわせてご覧いただければ幸いです。 私は、米国の編集者ケヴィン・ケリーの文章を翻訳して、「七左衛門のメモ帳」というサイトで発表しています。翻訳の対象は、ケヴィン・ケリーが自分のブログ「The Technium(テクニウム)」に書いた記事です。その内容は、技術、インターネット、ビジネス、芸術、未来観など幅広い分野に及び、いずれも興味深いエピソードとともに鋭い洞察を示すものです。今回「マガジン航」に転載する「自己出版という選択」もその一つです。 (注)テクニウム 文明としての技術全体を意味するケヴィン・ケリーの造語 ケヴィン・ケリーは、米国の雑誌「Wired(ワイアード)

    K・ケリーの「自己出版という選択」について
  • インディーズ作家よ、集え!

    独立作家同盟を設立したわけ 「日独立作家同盟」とは、私が呼びかけ人となって発足した、自己出版(self-publishing‎)をする個人作家の同盟です。「マガジン航」に掲載された「ロンドン・ブックフェア2013報告」の記事を読み、既存の出版社に頼らず作家同士が助け合いながらを世に出していく「Alliance of Independent Authors」という組織の存在を知り、日にもこういう同盟があったらいいな、と思ったのです。 「同盟(Alliance)」という言葉には、異なる立場の人々がグループを作って、相互に協力し合うというニュアンスがあります。つまり、この同盟はカッチリとした組織を志向しているわけではなく、「来る者は拒まず、去る者は追わず」の緩やかな共同体を目指しています。 既存の出版社や取次・書店流通を否定するわけではないが 家英国の同盟は、自分自身が出版社(者)と

    インディーズ作家よ、集え!
  • アマゾンは一般書の出版社として失敗したのか?

    一昨年のブック・エキスポでは元タイム・ワーナーブックス(現アシェット)CEOのラリー・カーシュバウムがアマゾン出版(amazon publishing)の発行人として抜擢され、ニューヨークに編集部を構えたというニュースで持ちきりだった。いよいよ一般書の出版社として中抜きどころか源泉から牛耳る気になったのだと。そのカーシュバウムがアマゾン出版を退任したことで、出版界は大きな騒ぎになっている。 「アルゴリズム出版」からジャンル小説、さらに一般書へ カーシュバウム就任以前の2009年から、アマゾンは少しずつ自分のところでを出し始めていた。Encoreというインプリントでは、他社から出て絶版になっていたタイトルや自費出版されたものから、売れそうなタイトルを見つけ出して再発行するというのをやっていた。そして他の国のベストセラーチャートを見て英語に翻訳して出したら売れそうなものを出すCrossing

  • 編集をぼうけんする

    僕が最初に「をつくりたい」と思ったのは、もう15年も前、高校生のときのことだ。写真を撮り始めて、写真集をつくりたい!そう思ったときから、僕の「編集という冒険」がはじまった。その後はずっとグラフィックデザイナーをしてきたが、編集に関しては素人でしかなく、何回もをつくりはじめては、未完でやめていた。そんな未知の「編集」というフィールドで悪戦苦闘しながら冒険し、2010年にやっと完成したのがこの、『北海道裏観光ガイド』だ。 その発行元である「NPO法人北海道冒険芸術出版」は、出版を手段とし北海道という地域の課題解決に取り組む組織である。この『北海道裏観光ガイド』は、その最初のプロジェクトということになる。 をつくるという旅の途中でいろんな人が助けてくれたから、僕は冒険を続けることができた。とてもひとりでは、ここまでたどり着くことはできなかったように思う。見たことのない敵が現れるたびに、い

  • Editor’s Note

    posted by 仲俣暁生(マガジン航) 「マガジン航」では体のブログ記事のほかに、サイドバーで表示している「電子書籍をめぐる読み物」というコーナーに、時事ものではないやや長めの文章をアーカイブしています。この欄に、鷹野凌さんの「情報誌が歩んだ道を一般書籍も歩むのか?」を追加しました。ブログ欄の記事として先日書いていただいた、「ハフィントン・ポストにみる「編集」の未来」ともつながる内容ですので、ぜひあわせてお読みください。 鷹野さんの記事を読んで、私も自分が編集の仕事をはじめた頃のことを思い出しました。鷹野さんが振り返っているのは世紀の変わり目、2000年頃の「情報誌」の世界ですが、私が最初に就職した出版社も「情報誌」の会社でした。鷹野さんよりさらに10年前、いまから四半世紀前にあたる1989年のことです。 四半世紀前の「情報誌」を思い出す 当時の編集ワークフローは、基的に紙ベー

    Editor’s Note
  • 集合知から考える、これからの情報社会のかたち

    西垣通氏が今年の2月末に上梓されたばかりの『集合知とは何か – ネット時代の「知」のゆくえ』を手に取ったのは、いつも知的興奮を与えてくださる佐々木裕一氏のブログでのこの記事がきっかけだった。私がこれから書こうとしている文章は、言うなれば佐々木氏への「返歌」である。 インターネットの利用が普及し、CGMやSNS、ユビキタスコンピューティング技術などが私たちの日常にますます浸透し、リアルとバーチャルという旧式な二分法が崩壊しつつある時代、そして日においては東日大震災という大きな試練を乗り越えようとしている現在。それは、トップダウンで硬直的で権威主義的な専門知への失望と、ボトムアップで弾力的で“民主的”な集合知の形成への期待がますます高まりつつある時代でもある。 「主観値」と「客観知」を橋渡しする「二人称の知」 西垣氏が訴えているのは、いわゆるクオリアが支える一人称の「主観知」から、社会で共

    集合知から考える、これからの情報社会のかたち