安倍首相が本のプロモーションにいちばん貢献してくれた 「育ててくれてありがとう」「禿同。良記事。」「全米が泣いた」――20の紋切型の言葉を拾い上げ考察した『紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社刊)。同書で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞したライターの武田砂鉄氏は、10月19日の授賞式で次のようなコメントを残した。 「今回の本は、テーマもゴール地点もタイトルもまったく決めずに書き始めました。ひとまず書き終えて原稿が出揃ったときに、言葉について考える本なのか、あるいは社会を見渡そうとしている本なのか、少し悩みました。 改めて原稿を読み返しながら、そのどちらかではなくどちらにも比重を置いている本、今現在流れている陳腐な言葉を考察しながら社会を見通すような本だと気付き、タイトルを『紋切型社会』と付けました。 本の最後の最後に、『言葉は今現在を躍動させるためにある』