橋本食品は、北九州市の門司港の近くに本社を置く老舗の食品会社だ。九州から中国地方にかけ、食品スーパー内のテナントとして、食肉や惣菜、焼鳥などを販売する小売店を多店舗展開している。 同社は、100年以上の歴史の中で、歴代社長は時代の変化に合わせ新たな事業を展開し、会社として成長を続けてきた。だが、内部のマネジメントはきちんとルール化しておらず、正社員の労働時間の管理すら厳密にやってこなかった。各店舗ごとの運営も、各店長の裁量にすべてが委ねられており、商品やサービスはもちろん、粗利益率や生産性までも店によってバラバラだった。 2008年に社長に就いた4代目の橋本和宏氏は、新たな業態の開発するのではなく、社員達の働く環境の整備に企業経営の舵を切った(前回はこちら)。 店舗によって、商品から利益率までバラバラでした 現場に職人を残すのは、一般的に多店舗展開に背を向ける戦略です。 橋本:橋本食品の店