ジャニーズ事務所の調査報告書は、ジャニー喜多川氏の性加害が長期化・潜在化した背景として「マスメディアの沈黙」を挙げた。そこではタレント起用をめぐるテレビ局などの事務所へのそんたくが指摘されたが、「男性の性暴力被害」への鈍感さもあったのではないか。長く男性中心だった報道機関はなぜ同性の被害に対して鈍感だったのか。「そこに男性優位社会の問題がある」と指摘する、立命館大大学院人間科学研究科の宮崎浩一さん(35)に聞いた。(前編から続く) 男性優位の社会に問題 ――調査報告書では「マスメディアの沈黙」も背景として指摘されました。#MeToo運動が日本で盛り上がった時ですら、私も含め、メディアは男性の被害にほとんど目を向けてきませんでした。私自身、鈍感だったと反省しています。ただ不思議なのは、かつて男性中心だった報道機関がなぜ、同性の被害にこうも鈍感であり続けたのかということです。 ◆まさにそこに、