兵庫県尼崎市東七松町2にマンモス学舎があると思ったら、別々の中学校が隣り合わせに建っていた。市立の日新中と中央中だ。2校を隔てるのは緑色のフェンスのみ。全国でも珍しい2校の「隣設」には、1950年代以降の市内の急激な人口増加が背景にあった。(村上貴浩) 北側に日新中、南側に中央中の敷地が広がる。正門は共に西側にあり、その間隔は歩いて数十歩しかない。毎朝、異なる制服の生徒たちが一緒に現れてそれぞれの正門に吸い込まれていく。 日新中の敷地に入らせてもらうと、中央中との境界にはフェンスが張られ、両校にまたがる建物もある。プレートには「配膳室」の文字。今年から市内の中学校で給食が始まり、食材を搬入する場所だという。 「もともとは両校が食堂として使っていた場所でした。扉の先は中央中。給食は通路の都合上、中央中の敷地からしか運び込めません」と松村高志教頭。 東に進むと、フェンスの一角に両校を行き来でき