2016年のサンマ漁も、日本漁業にとって厳しい「冬」となった。水揚げ高は過去最低レベル。台湾など外国勢に完全に主役を奪われた形だ。「外国の乱獲」に原因を帰する見方もあるが、そうとは言い切れない。サンマ漁業を取り巻く海洋環境が急激に変化しているのだ。国民的な料理ともいえる脂の乗った焼きたてのサンマは、果たして来年も我々の食卓に姿を見せてくれるだろうか。 (ジャーナリスト・野嶋剛/Yahoo!ニュース編集部)
今秋、サケの遡上が激減している。9月末までに全国の沿岸で漁獲されたり、川を上って捕獲されたサケは1682匹と対前年同期比79%に落ち込み、過去 20年間の平年値に対して3割も減少した(水産総合研究センター調べ)。9月の海面水温が地域によって平年値より1~2℃高く、冷水魚のサケが母川に近付けなかったことが一因だとみられている。 深刻な事態を受け、漁業者はサケ定置網の一部撤去に踏み切った。北海道の根室、日高、日本海管区のさけ・ます増殖事業協会は、476カ所の定置網を10月に順次撤去し、サケの資源回復に努めた。 この網の撤去を喜んでいるのは、サケ以外にもいる。アザラシやマンボウだ。北海道では定置網にアザラシやマンボウが一緒にかかり、死ぬ事故が後を絶たないからだ。 東京農業大学の小林万里講師らの調査では、根室半島周辺の15カ所の定置網で2002~03年に混獲されたアザラシは261頭にも上る。
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