◇若い情熱に期待--丹羽宇一郎さん(69) 「株式市場の下落は、そろそろ終わりじゃないですか」 何事も明快に、しかもさりげなく言い放つのがこの人の流儀だ。サブプライムローン(低所得者向け高金利住宅ローン)問題に端を発した米国発の金融危機で、世界中の株価が暴落した。たしかに最近になって、各国とも株価は小動き状態で落ち着いている。それにしても、楽観的ですね。 今回の危機は、丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長に言わせれば、「(金の裏付けのない)ペーパーマネーとしてのドルが膨らんで、金融資産経済と実体経済とが乖離(かいり)したために、バブルがはじけたんです」。だから、国内総生産(GDP)と株式時価総額の関係に注目する。 米国では、バブルでない時期、たとえば1970年の株式時価総額はGDPの60%だった。99年ごろのITバブルでは120%にふくらみ、崩壊後は70%に戻った。今回の住宅バブルでも再び120%ほ