ウクライナ侵攻、経済の岐路 ロシアのプーチン大統領の暴挙により、世界経済は大きな転換点を迎えている。西側諸国の経済制裁や、欧米企業のロシアからの撤退は、まるで30年以上前に終わったはずの東西冷戦時代に時計の針を戻すかのようだ。経済・金融が専門の法政大大学院教授の真壁昭夫さん(68)は言う。「ウクライナ侵攻は、まさに経済の様相を一変させる『ゲームチェンジャー』です」 真壁さんは、2021年に刊行した自身の著書「ゲームチェンジ日本」を引き合いに、「プーチンの戦争」をそう表現した。「1989年の東西冷戦終結後、進んでいたグローバル化の流れは逆回転を始め、経済のブロック化ができつつあります」 日本を含めた西側諸国は、ロシアの国際金融決済システムからの排除や、資産凍結などの経済制裁を発動。さらに、90年からモスクワに進出し、ソビエト連邦崩壊の象徴だったマクドナルドや、アップル、イケアなど名だたる世界