先進国でも政府のデフォルトは起こりうる ロゴフが、欧米の金融危機対策によって大幅に増えた財政赤字が、今後の世界経済の最大の重荷になるだろうと論じている。内容は、おおむねReinhart-Rogoffの解説だが、金融危機のあとに財政危機が来るのは歴史の法則に近いという。今後は、新興国でデフォルトの危惧があるばかりでなく、先進国にもリスクがある。 大国も、通貨価値の引き下げなどを通じて、事実上のデフォルトに追い込まれた過去を持つ。たとえば、米国は1933年に、ドルの価値を金1オンス当たり21ドルから同35ドルに引き下げた。1970年代にも高インフレによって債務負担を圧縮している。政府はデフォルトではないというだろうが、一方的に通貨価値を下げることは、債権者からみれば、債務の不履行に等しい。 ちなみに、日本も過去に何度かデフォルトしている。著書でそう言及したところ、ある日本政府高官から「日本