飯田さんのラジオを聞いていたら「なぜ高額所得者に対する減税ばかりがこんなにすすんだのか?」という話題が出てきた。経済学界でどういう議論がなされてそうなったという話は飯田さんの方が詳しいだろうし、ほかの経済学者の方のフォローを待ちたいと思うが、最高税率を下げることになったきっかけとして私が記憶しているのは「窓ぎわのトットちゃん」である。黒柳徹子が「トットちゃん」の本を書いてベストセラーになり、ものすごく稼いだということはよく知られている。どのぐらい売れたのか今調べてみたら、700万部だそうだ。1部につき印税が100円だったとしても、7億円。今でも大した金額だが、1981年当時の個人の所得水準で考えたら相当なものである。彼女はそれで儲けた分を世界のめぐまれない子供たちのために寄付しようと考えた。ところが、当時の所得税の最高税率は地方税と合わせて93%もあったので彼女の手元にはあまりお金が残らず