社会学, 読書・文献案内 ニック・クロスリーの社会運動研究"Making Sense of Social Movements"の邦訳『社会運動とは何か』が出たようですね。この本、僕は5年くらい前に読んだのですが、社会運動研究の概説書として非常に有用でした。その上、本書の第9章は従来の社会運動研究の理論枠組みをブルデュー社会学の解釈によって超克する試みであり、すごく面白かったし、大変刺激を受けました。 ニック・クロスリーのブルデュー解釈はかなり正確ですが、彼の良さはブルデュー論者というところにだけあるのではありません。むしろ、ブルデューと他の理論をつなぎ合わせ、ときにはブルデューを批判し、彼独自の社会理論の構築を試みているところにあります。また、彼は経験的研究と理論をつなごうという意識を強く持っており、このような姿勢から学ぶことは多いです。 クロスリーには、社会運動の理論的研究だけでなく経験