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LifeとTextに関するyz_sのブックマーク (36)

  • 昭和に生まれて(1): 気がつけば82歳

    昭和2年5月6日の未明に生まれたそうだ。 父母は明治、姉と兄は大正で、自分だけが昭和に生まれたって子供心にもチョッと誇らしかった。 昭和とともに歩んで、振り返ると波瀾万丈だったと思う。 地域差も大きかったが、自分の観て来た事を覚えているうちに書いて置きたくなった。 無論、思い出せるのは2〜3歳になってからのことだけど、数年前に亡き兄の家で大昔の写真を見て懐かしくカメラで撮らせてもらった。 昭和初期は、旧式なカメラも一応有ったが、正月には写真館に行って家族写真を撮るのが恒例だった。 父は背広、子どもは洋服が定着していたが、母の世代の洋装は珍しかったようだ。 私が物心ついてからの記憶より、古めかしく思える。 勘定すると、当時の私は7ヶ月と少しかな。 92年前の写真に、それから歩んで来た人生を思います。

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    yz_s 2019/09/13
    10年もブログ続けてらっしゃるのねえ。どうぞお元気で。
  • 教養がないとはどのようなことか - 傘をひらいて、空を

    私の勤務先では人事部だけが採用活動をするのではなくて、現場の人間が面接を担当する。面接官は通常二人組で、このたび私を指名したのが篠塚さんである。篠塚さんは言う。僕、教養がないんで、面接でその手の話になったときにはよろしくです。 篠塚さんは私よりいくらか年長の男性で、職務上の能力がとても高い。専門知識を常時アップデートしている。ものの言い方が率直すぎて誤解を招くことがあるが、内容はおおむね正論である。基的に誰にでも親切で骨惜しみをしない。イギリスで修士号を取ってから就職したと聞いている。 教養とはこの場合、何のことでしょうか。私が訊くと、篠塚さんは明快に(だいたい明快な人物である)答えた。文学とか芸術とかです。マキノさんそういうの好きでしょ。 私はたしかに小説を読み美術館に行くが、それを教養と呼ぶのか。好きなものを好きなように摂取しているだけではないのか。篠塚さんは言う。僕、仕事関係以外の

    教養がないとはどのようなことか - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2019/01/30
    最近、他人と比べて「幸福かそうでないか」を騒ぐ人も多いからねえ。
  • 東スポのある世界とない世界(なんでもない日の夕焼け) - 関内関外日記

    おれは、金曜の夜に安ワインを一開ける。 土曜日、起きるのは決まって午後二時すぎ。 おれは顔だけ洗って競馬をする、小銭が行き来する。 午後四時半、最終レースが終わると、おれはシャワーを浴びて、 コンビニに行く。 日曜日の出馬表を求めて、コンビニに行く。 外に出てみると、夕焼けの空。 おれの、半地下のような部屋には、 外の日差しが入ってこない。 おれはいつものように、外は曇っていて暗いのだと、 (たとえ晴天の日であっても、おれは外の天気がわからない) 思った。 空は夕焼けだった。 なにかいいことがあったわけでもなく、 なにかわるいことがあったわけでもない日には、 どうでもいいことが話題になる。 言葉に意味があるのだろうか。 おれは意味を待っていた。 ただ意味を待っていた。 しかし、意味などないのかもしれない。 「言葉を意味で割ることはできない」、 と、偉大なる詩人が言っていたように思う。 お

    東スポのある世界とない世界(なんでもない日の夕焼け) - 関内関外日記
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    yz_s 2019/01/27
    歌詞にできそう。いい曲になりそうだ。
  • 毎朝、立ち食いコロッケそばを食べている

    わたしではなく、30歳ぐらいの女性が。 しかも知り合いではなく、赤の他人だ。 わたしが毎日自宅から最寄り駅につくと、改札をくぐる前に、 朝代わりに月見そばをべる習慣が5年ぐらい続いてる。 そんなある日、 わたしと同じように、30歳ぐらいのメガネの女性が 毎朝、コロッケそばをべていることに気がついた。 遡って考えてみれば、ここ半年ぐらいは続いているだろうか。 さすがに昨年末ぐらいからは、お互いを顔見知り程度には認知しており、 忙しくそばをすすりながらも、 「あ、また会いましたね!」という感じで軽く会釈をするようになった。 ところで、わたしは毎朝月見そばをべているが、コロッケそばなるものをたべたことがない。 たまに気分を変えてもせいぜいきつねそばか、きざみそばぐらいだろう。 ただ、コロッケそばというものには興味が惹かれる。 どうやってべるのかと思い、ちらりと横でたべている彼女の様子を

    毎朝、立ち食いコロッケそばを食べている
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    yz_s 2017/03/29
    良さ
  • お前が憎い

    http://anond.hatelabo.jp/20160728000910 お前は今まで心の底から渇望したことがないんだろう。そして、求めても得られず、何年も苦しんだことがないのだろう。あまつさえ、お前にとっての「プラスマイナスゼロ」になるために、ただ「ふつう」になるためにゴミのような境遇から這い上がらなければならない人間のことなど何も気にかけていないのだろうな。 俺はそれが許せない。 お前のように、何も求めずとも得てきた人間。 健康的な精神、健康的な肉体、趣味友達、親、彼氏、社会的な成功、生きる理由などなくても生きられる暖かい暖かい生活をして生きたお前。 俺は憎悪する。 お前の境遇そのものではない。その境遇にあって何も感じず、その無知から軽い気持ちで他者を見下す前をこそ憎む。 お前が不幸になったときはゲラゲラと笑ってやろう。お前の子供が入院したときは鉢植えの橙百合を贈ろう。 それま

    お前が憎い
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    yz_s 2016/07/28
    元増田が霞んで消え失せるほどの筆圧と熱量。
  • 向こう側からの会釈 - 傘をひらいて、空を

    死者が私に向かってほほえむ。私は、それに慣れている。ときどきほほえみをかえす。彼らはとても遠いところにいるから、とても小さく見える。消そうと思えば私はそれを簡単に消すことができる。けれども、そうしない。 なんの不思議もない。ネットワーク上に世を去った人のアカウントが残っているだけだ。多くの人が自分の姿をアイコンにする。ウェブ上のさまざまなサービスの上にみんなの姿が並んでいる。今の姿と大きくちがう人、ずっと同じアイコンの人、誰だか覚えていないような人。ずっと連絡していない人は、生きているか死んでいるかもほんとうはわからない。 私のアカウントが接続している相手のなかで、はっきりと死んでいるのはふたりだーー今のところ。くっきりした笑顔がひとつ、ほとんど人物が特定できないぼやけた全身像がひとつ。知った人をなくしてはじめてそれを見たとき、首の下のほうに氷を当てられたような感触がした。不意打ちだからか

    向こう側からの会釈 - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2016/03/30
  • 正しさより必要なもの - 傘をひらいて、空を

    ぜったいに病院になんか行きたくないと彼女は言う。ため息をつく。どうして自分の意思に基づいた行動を邪魔するのかと尋ねる。死ぬからだ、と私は思う。このままではあなたが、あなたを必要とする小学生の子どもと夫と老いた両親を残して、死んでしまうからだ。そして病院で治療を受ければそこそこ健康なからだを維持できる見通しが高いからだ。 そう思う。でも言わない。彼女にとってそれは真実ではない。まったくの嘘っぱちだ。彼女は真実を知り、それについてよく学び、正しい生活をおくり、その結果、多くの人に賞賛され、教えを乞われている。そうして私はいろいろなものに騙され、また怠惰であるために、ろくな人生を送っていない。でも私が特別に罪深いわけではない。多くの人はそうなのだから。ただすこし愚かなだけの、気の毒な人なのだから。 彼女にとって私はそのような人物だ。だから私が何を言っても耳をかたむけてはもらえない。そんなことは十

    正しさより必要なもの - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2016/03/02
    周囲にこういう人はいないけど、いたらどうすればいいのかはやっぱりわからない。
  • 精神的おむつ替えサービスに対する誇り - 傘をひらいて、空を

    ねえサヤカ、昨日彼のBMでデートしてたんだけど、お店がちょっと複雑な場所にあったから、彼、ちょっと迷っちゃったみたいで、だから私、コンビニ寄りたいなあって言って、店員さんにお店の場所きいたの。そしたらすぐ見つかったんだけど、そのあと彼すごく機嫌悪くって、お事中もお話してくれなくなっちゃって、帰りはね、私じぶんで帰ってきたの、うん電車で行けるとこだし、それでね私、コンビニに行きたいって言ったタイミングとかまずかったかなあって思って、ごめんねってメール送ったんだけど、まだ返事がないの、どうしたらいいかな。 学生時代にかかってくる彼女の電話の「相談」は、たとえばそのような内容だった。要するに彼氏が不機嫌になる原因を知るために私に想像をさせるわけだ。そして私はきまってため息をついて、たとえばこう答えるのだった。タイミングの問題じゃないよ、あなたの彼氏みたいな人ってたいてい、人に道を訊くのが極端に

    精神的おむつ替えサービスに対する誇り - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2015/05/20
    女にも何種類もいるからな。
  • 就活で自殺するぐらいなら就活する前に自殺しろ

    就活で自殺するぐらいなら就活する前に自殺しろ。そうすれば就活なんかしなくてもいい。就活をするんだったらしてもいいしした後で自殺してもしている途中で自殺してもおんなじだ。みんな自殺しよう。 いつも偉そうな能書きたれている清水だかなんだかいうアホが就活で自殺するな中小企業がどうだこうだと書いていた。清水はバカである。学生のうち99.99%は特に何の業績も上げられずにガンなり糖尿なりになって普通に情けなく死ぬ。ウィキペディアに名前も残らない。残るのはせいぜい2chの恥ずかしい書き込みログぐらいだ。増田のアカウントも消しておかないとな。さっさと自殺しろ。この世はお前のためにあるんじゃない。この世は清水みたいなアホと、そのアホに洗脳された名無しの歯車たちのためにあるのだ。ああいう奴らが偉そうに能書きたれるために社会は存在する。就活ぐらいで自殺するなと。 就活ごときで自殺するなと言っている人間は就活そ

    就活で自殺するぐらいなら就活する前に自殺しろ
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    yz_s 2015/01/08
    これは名文だ。
  • 女の節目~人生の選択(7) vol.7「初めての、自己顕示欲」【12歳】

    --------------------------------------------------------------------------- 初恋、初体験、結婚、就職、出産、閉経、死別……。 人生のなかで重要な「節目」ほど、意外とさらりとやってきます。 そこに芽生える、悩み、葛藤、自信、その他の感情について 気鋭の文筆家、岡田育さんがみずからの体験をもとに綴ります。 「女の節目」は、みな同じ。「女の人生」は、人それぞれ。 誕生から死に至るまでの暮らしの中での「わたくしごと」、 女性にとっての「節目」を、時系列で追う連載です。 --------------------------------------------------------------------------- 名前をつけてやる 入江紀子の漫画『のら』の主人公には、名前がない。天涯孤独で戸籍や住民票を持たず、住所不定

    女の節目~人生の選択(7) vol.7「初めての、自己顕示欲」【12歳】
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    yz_s 2014/12/05
    自分のなまえを自分でつけるのって、俺もやってたけど難しいんだよねぇ。まだそんなに自分のことわかってないし。 / 谷中さんだと(ガタッ
  • 自意識補填ビジネスと私 - 傘をひらいて、空を

    延々とブログなんか書いていると、年に一回くらいの頻度で「この媒体に載せてやるから金を出せ」という趣旨のアプローチがある。投稿者の原稿を掲載する雑誌だとか、そういうのだ。そのたびに私はなんだか、うっすらと、しかし特有の、不快感を覚える。私はお金を払って原稿を掲載されたいと思わないから、それは不要な勧誘だ。ただそれだけのものだから、メールにスパムの印をつけてそのまま忘れてしまえばいいのに、都度、少しだけ、そのメールを覚えていて、うっすらと不快な感覚を維持してしまう。 そういった宣伝のメールの第一声はたいてい、「ブログ読みました!ステキですね」というようなものだ。感想めいたお世辞を連ねるものさえある。もちろん多くはテンプレートだけれども、それにしても、なんだかすごいな、と思う。商売目的で素人の文章を読んでお世辞を書くってどんな気分だろうと思う。その種の宣伝を受け取った経験は一度や二度ではないので

    自意識補填ビジネスと私 - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2014/12/02
    はてブとかTwitterとかって自意識補填サービスよね。
  • 烙印の取り扱い - 傘をひらいて、空を

    出産した友だちと半年ぶりに会うことが決まる。難産だったと聞いていて、けれどももうすっかり元気だと人からのメッセージのには書かれている。だいじょうぶかなと私は思い、それから、人に任せようと思う。彼女に家にいてもらって私がそこを訪れてお粥をべさせていたら私は安心だろうけれども、そんなの私の安心のためだけのことだ。何たべたいと尋ねると驚くべき早さでパンケーキと返ってきた。打つのが早い、と私は思う。スマートフォンのメッセージがリズミカルに増えていき、あっというまに店と待ち合わせの時刻が提案される。いいのかなと私は思う。人がそうしようというのだからいいのだろうと思う。 当日そう言うと彼女は空っぽになった皿を満足げに眺めてから、それでよろしい、と言った。出産した女は甘いものをべてはいけないというのは都市伝説。すべての産婦に押しつけるような科学的根拠があるものではない。私は犬みたいな顔してほう

    烙印の取り扱い - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2014/11/04
    「嫁」にも烙印あるな、と思った。
  • 居残りのゆくえ - 傘をひらいて、空を

    うんと年下の友人と会う約束をしていたら、かれし連れていきます、とメッセージが入った。かれしは劣化していますのでよろしく。劣化、と私は内心で繰りかえした。いやな言い回しだと思った。人間はしばしば疲弊し、かならず老化し、ときに頽落する。それを劣化と表現する心性を私はいやだった。けれどもそれだけのことでかわいがっている女の子を嫌いになるのではないから、約束の日にはもちろん出かけていった。 劣化、と私は思った。いやだと思ったはずの表現がなんだか適切に思えた。少し前に紹介されたとき、彼女の恋人は二十代半ばという年齢以上にしっかりして見えた。礼儀正しくバランスがとれていて適度に快活で見栄えのいい青年だった。小さいころから選ばれてきてそれに慣れている人々によく見られるようすだ、と私は思った。それが今はなんというか、全体にもっさりしている。冴えない。うっすらとだらしない。なるほど、と私は思う。 私と彼女の

    居残りのゆくえ - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2014/08/12
    あ、いいな。この話。
  • 箸三膳分の愛 - 傘をひらいて、空を

    夜中まで作業が続きそうなのでオフィスグリコにコインを落としてカップ麺を手に入れる。その場でばりばりパッケージを破いて、据え置きのポットからお湯を注ぐ。ジャンクフードのにおいをくんくんとかぐ。にんまりと笑う。それから気づく。割り箸がない。コンビニエンスストアで買えば箸をくれるけれど、オフィス内で買うとない、みたいだ。知らなかった。近くの席の社員と目が合う。相手の視線が自分の顔から夜にスライドする。お、からだに悪そうなもんってますねえ。まだべてませんよう、箸がなくって、だから、どうしようかなーって。その会話の途中から机の抽斗をあける音がいくつも派手に響き渡って少し驚く。顔見知りの三人がそれぞれの席から割り箸を差し出している。みんなで顔を見合わせて笑う。 というわけで私は無事にカップ麺をべることができて、割り箸のストックまでできて、みんなに愛されてるなーって思ったの。だっていやなやつがカ

    箸三膳分の愛 - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2014/07/22
    あっ。(振り返ってみた)
  • 優秀と有能と勤勉のための税金 - 傘をひらいて、空を

    連休はどうだったと尋ねると泣かしたと彼女はこたえた。祝日の午さがりのレストランのテラスで母親と妹を泣かした。それはまた。私は意味のないせりふで時間を稼いで考える。なんでまたそんな派手なことに。彼女は眉を上げる。べつに泣かそうと思ったんじゃない。ひどいことは言ってない。当たり前のことだけ。 派手なことだなあと私は思う。南方ふうにくっきり整った顔だちの姉妹とその母の優雅な昼および修羅場。目の前の彼女はまぶたを伏せ、そうすると目の下に濃い影が生じる。私のとおんなじ睫とはちょっと思われない。きれいで賢くてたいていのことは黙って済ませてあとから簡潔に報告する女のひと。今日みたいに不穏な話をはじめるのは珍しかった。 彼女の妹が上京し彼女と一緒に住みはじめて一年になる。彼女は大学からずっと東京にいる。姉妹は離島の生まれで、妹はいくつかの職業を目指して都市をわたりあるき、去年から東京に来た。妹はこの十年

    優秀と有能と勤勉のための税金 - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2014/05/21
    苛々した。
  • サクラ満開: 気がつけば82歳

    午後には雨模様という天気予報を見て大急ぎで桜並木の広場に出掛けた。 年々、遠さを感じるようになったが桜が観たい一心で公園のなかを歩いた。 白木蓮はもう盛りを過ぎて花弁に茶色が目立つが、ユキヤナギは真っ白な見事なウエーブをえがいている。 やがてふんわりピンクがかった満開のさくらが目いっぱいに飛び込んで来た。 長い長い芝生の広場の両脇に桜並木が続いている。 見事に咲き切っているが、みなシッカリ枝についている。 十日前にはまだ赤い蕾みだった筈なのに。 今年も観られたって感慨が込み上げる。 サクラって何だか特別なんだなあ。 芝生にじかに足をなげだして座り込みスケッチブックを拡げた。 今日はチョット大きめにして水彩パレットと筆に水もリュックに放り込んで来たから30分位はかけて描こう。 水をたっぷり含ませた筆で先ずピンクを画面いっぱいに。 それだけでもう楽しくなって来た。 夢中になっていてフト周囲を見

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    yz_s 2014/04/02
    わあ、いいなあ
  • だいじょうぶオールド・ボーイ - 傘をひらいて、空を

    ごはん行きましょう。なるべく明るい声で私は言う。性根が陰なのを隠して明朗にふるまおうとするとばかっぽくなるなあと思う。職場での私は常時そんなふうだ。他人にはなるべく当たり障りのない印象を持ってもらいたいと思う。みんなそう考えてほがらかな顔をしてほがらかな声を出しているのだと思う。前向きなふるまいは他人に対するサービスだと思う。少なくとも四割くらいはおうちに帰ったら思う存分さみしいことや苦しいことを考えていると思う。 昼に誘った先輩もその四割に該当しそうな人格ではあるけれども、今はもっと露骨だった。職場にあって取り繕うことさえしない。ふだんはする。でもこの一ヶ月くらい、ぜんぜんしていない。あいまいな笑顔のようなものを浮かべてあまり人と目を合わせない。あいさつはしても、そのあとに二言三言雑談することがなくなった。パーティション越しに小さいため息が聞こえる。背がひどくなってなんだかちょっと

    だいじょうぶオールド・ボーイ - 傘をひらいて、空を
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    yz_s 2014/03/18
    いいなぁ。 / 「いい年して……」って言われたいもんだな。恋愛じゃなくてもさ、趣味なんかでも。
  • 腫瘍を引きずり出す - 傘をひらいて、空を

    文章は上手くなくて良い。上手いなら幸いだけれども、特別に上手くなくても書きたければ書いていいのだし、書くのはたのしい。それだからみんな作文するといいですよ。そういう主旨でものを書くワークショップがあった。あった、というのは文字通り主催が他の人だからで、私はただその部屋をてくてくと訪れて「下手でも書くのはたのしいです」と言う係だった。ブロガーという名称で呼ばれた、いわばしろうとの代表だ。 その部屋にはだから作文の好きな人たちがいて、主催側の、を書いているような人とその手伝いのスタッフがいた。構えや思いこみを解いてなおかつ自分が読んでおもしろいものを書くためのしかけがほどこされたあとで、場は適度にほぐれ、人々はPCのキーボードをたたいたり、その場で書きあげた文章のプリントアウトと事前に書いてきたものを見比べて感心するなどしていた。 じゃあマキノさん、そこ座っててくださいね、と主催者は言った。

    腫瘍を引きずり出す - 傘をひらいて、空を
    yz_s
    yz_s 2014/03/11
    だから文章はおもしろくて怖い。
  • 足を踏み入れる - 傘をひらいて、空を

    彼は人に気に入られるのがとてもうまい。彼は感じがいいとみんなが言う。彼は高価な輸入車を売っている。同じ立場の社員たちと比べて、おそろしくたくさん売っている。彼は車がほしい男たちに気に入られて、気持ちよく高価な買い物をしてもらう。ほとんど会わないけれどときどき電話がある。その電話を取って、不機嫌なんて珍しいと私は言う。彼は言う。そうだよ、すごく苛々してる。週末、特急に閉じ込められてね。 雪に閉ざされ停止して久しい特急の車内には人々の倦怠が満ちていた。隣の席の女はかばんを抱えてうとうとし、すぐに目をさます。ごめんなさい。そう言って肘掛けを乗り越えた自分の腕を引き寄せハンガーみたいな肩を縮める。邪魔だなと彼は思う。ちらりと見る。冴えない顔だ。冴えないんだからせめて若ければいいのにどうやらけっこう年だ。 そう思って彼は自動的に彼女を分類する。女たちはあまり彼の顧客にならない。けれども男たちはしばし

    足を踏み入れる - 傘をひらいて、空を
    yz_s
    yz_s 2014/02/19
    そういう人もいるのか、と素直な感想。
  • 続・大人になってからの恋

    歩きまわる可能性のあるデートでは、事前に歩きやすいようなで来るように言っておく女性がヒールを履いて現れた時は、移動にはタクシーを使うあなたが男性でも女性でも、デートの後に「今日は楽しかったね」メールを欠かさない日常的なメールのやりとりでいらいらしないためには、相手には相手のペースがあることを理解することメールで感情的になるのは極力避けるなどなど…ハウツーは並べだすとキリがありません。 先のエントリーは、たくさんの方々に、ブックマークを頂きました。 コメントのない方が多かったことから、多くの方はあそこに書かれたようなことをご存じなく、参考のためにブクマしたのだと思います。 また、”背の高い女性を好む男性はいない”などを蔑視と捉えて傷ついてしまった方もいらっしゃったようです。 意図が伝わらなくて、残念です――いえ、申し訳なかったと思っています。 私はふたつのエントリの増田です。 こどもの頃の

    続・大人になってからの恋
    yz_s
    yz_s 2014/02/16
    ええと要は釣りましたでいいのかしらね、本当のことが含まれていたにしても。