マンガ、そして映画の『ちはやふる』で注目を集めた百人一首の世界。 今年の1月5日、近江神宮で行われた「名人戦」はとにかく見ごたえがあった。3連覇中だった川崎文義名人(福井渚会)に対し、昨年に引き続き挑んだのは、京都大学かるた会の粂原圭太郎挑戦者。 名人戦は、5番勝負で3勝した方が名人となるが、この戦い、朝の10時30分過ぎから試合が始まり、5回戦にもつれこむ熱戦となった。 決着がついたのは、冬の短い日がとっぷりと暮れてからである。勝ったのは、京大経済学部卒業の才人、27歳の粂原挑戦者だった。 この試合を見て印象的だったのは、名人になるためには、尋常ならざる総合力が要求されるということだ。 まず、体力。休憩を挟むとはいえ、集中力を維持するには基礎的な体力が大切なのは明らかだった。なるほど、かるたの世界では若さは1つの武器だろう。 こうなったら、名人に話を聞くしかない。京都で「粂原学園」という