なぜ娘をレイプした父親が無罪なのか-。三月に相次いだ性暴力事件の無罪判決に抗議し、性暴力被害者に寄り添う気持ちを表そうと花を持って集まる街頭活動「フラワーデモ」が、全国に広がっている。今月十一日は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、神戸、福岡、下関、鹿児島の九カ所で同時に開催する予定だ。呼び掛け人らは「国が刑法を改正するまで、声を上げ続けたい」と話している。 (出田阿生) はじまりは四月十一日夜。JR東京駅前の行幸通りに、花やプラカードを手にした参加者約四百人が集まった。「十人、二十人だけでもやろうと思っていたので、正直とても驚きました」。呼び掛け人の一人、編集者の松尾亜紀子さん(41)は振り返る。 三月に相次いだ無罪判決は、どれも納得できないものだった。十九歳の実の娘をレイプしたとして起訴された父親が無罪となった名古屋地裁岡崎支部の判決。女性が酔いつぶれて抵抗できない状態だったと認めながら「