「エースをねらえ!」と「あしたのジョー2」で演出を学んだ ――遂にアニメ作品の登場です。 押井 出崎(統)さんの『劇場版エースをねらえ!』と『劇場版あしたのジョー2』は、僕にとっては同じ映画なんだよ。『エースをねらえ!』で見せてもらった出崎演出の集大成が『あしたのジョー2』。だからセットで語ることになるけど、1981年の1本としては間違いなくこれ。出崎演出の本質みたいなものをこの2本で学んだ。 ――『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』(1984)を演出する際の参考にしたのですよね? 押井 アニメを、どう演出したら「映画を見た気分になれるんだろう?」というテクニックの部分。テレビを大きくすれば映画になるわけではないし、お祭り気分のイベント・ムービーも映画ではない。僕は劇場デビュー作の『うる星やつらオンリー・ユー』(1983)で失敗しちゃって、ただのでっかいテレビになっちゃった。 そう
※1991年11月発行の同人誌『Vanda』4号の特集『ガンバの冒険』に寄稿した文章の再録です。『Vanda』は(故)佐野邦彦氏と近藤恵氏が編集発行した同人誌です。 カモメは歌う 悪魔の歌を 帆柱に 朝日は昇る けれど 夕陽は お前と仲間の髑髏を映す 強烈なインパクトとビジュアルイメージを持ったエンディング。『ガンバの冒険』は、この歌『冒険者たちのバラード』(軽快なサンバのリズムに乗ったオープニングと好対照だ)と共に忘れられない、TVアニメ史上の傑作の一つだ。個人的には『未来少年コナン』『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』と並んでTVアニメのベスト5に入る程好きな作品だ。 今回の特集の為に何年かぶりで見たのだが、やっぱりいい、スゴイのだ。今見ても少しも古さを感じさせないどころか、実に新鮮だ。躍動する画面の端々から、制作者たちの意気込みが伝わって来るのだ。 昭和50年(1975年)
「暗い夜のシーンは色情報が少なく、視覚的に目を引く画面作りが難しくなります。しかし『鬼滅の刃』では、戦闘が始まると鮮やかに発光する“全集中の呼吸”のエフェクトによって青い波や黄色い雷などの色彩が一気に溢れ出てくるんです。 あのエフェクトは作画・撮影・3DCGを複雑に組み合わせて表現してあり、単体でも目を引きます。しかしそれ以上に、視覚刺激の緩急のうまさが、見る人に大きなインパクトを与えた理由の1つだと思います」 作品の中でもとりわけファンが多い「炎」の表現 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開中PVより 非・戦闘シーンの気合いの入り方 また沓名氏は、派手なアクションだけでなく、何気ないシーンにもしばしば目を奪われたという。 「劇場版の冒頭の墓地のシーンでは、“撮影”の気合いの入り方に驚かされました。木漏れ日の表現を“作画”によってではなく、“撮影”の工程だけであそこまで繊細に表現できている
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