日本の学界はマルクス主義やその亜種に支配されてきていて、ムラを形成し、この支配の掟に反する者をつまみ出そうとしている、という陰謀論のような議論(誇大理論)がある。要は、学界が左翼まみれになっている、というわけだ。 もちろん、学界では、政治的な意味では右派より左派のほうが優勢なのだろう。データはないだろうが、日本全体よりは自民党支持率は低く、立憲民主党や共産党の支持率が高い予感はする。 しかしそうした政治的意見の実際の分布以上に、学界が左に寄っているように見えてしまっている人が少なからず(少なくともTwitter上では)いるようだ。それはなぜなのだろうか。もちろん、単なる誤解や偏見なのかもしれない。しかし、そうだとしてもなぜそうした見方が蔓延るのか。単に誰かがそのような見方を煽っているというだけではなく、構造的にそのように錯覚してしまうところがあるのではないか。 結論を一部先取りすると、問題
大きな研究成果を上げて将来を期待されながら、自ら命を絶った女性がいる。享年43歳。多くの大学に就職を断られ、追い詰められた末だった。 西村玲(りょう)さん、2016年2月2日死去。 東北大学で日本思想史を学んだ。江戸中期の普寂(ふじゃく)という僧侶に注目した仏教の研究で、04年に博士(文学)に。都内の多摩地区にある実家に戻って両親と同居しながら、研究に打ち込んだ。 翌05年、日本学術振興会の「SPD」と呼ばれる特別研究員に選ばれた。採用された人に月額約45万円の研究奨励金を支給する制度だ。「これで(研究で使う)本がバンバン買える」と、両親に喜びを伝えた。「もらったお金の分は、研究成果で返さないといけない」 年に論文2本、学会発表4本。自らにノルマを課し、経典などを大量に運び込んだ2階の自室にこもった。数少ない息抜きは両親と囲む食卓。箸を動かしながら、研究の内容を早口で熱く語った。「覚えたこ
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