30年前のイラストが、文芸部の部室にあった段ボール箱から見つかった。 希代のアニメ監督の足跡をたどって訪れた母校の赤穂高(兵庫県赤穂市)。取材に同行してくれた同級生の男性(48)はイラストに目を落とし、20秒間沈黙した。「たけちん、これが得意だったんだよな」。青春時代の友を懐かしんだ。 描かれていたのは2頭身のキャラクター。事件で亡くなった武本康弘さん=当時(47)=が、アニメーターになる夢をかなえた後も好んで描いたモチーフだった。 武本さんは京都アニメーションが得意とする「学園もの」の旗手として活躍した。監督作の中で、脂の乗った2012年に手がけた学園ミステリー「氷菓」は、歴史ある古典部を舞台に高校生の心理描写を追究した秀作として知られる。描き出そうとしたのは、輝きだけでも、痛みだけでもない、青春のほろ苦さだ。 高校時代の仲間たちは、描画やシナリオ創作で才能を発揮する武本さんの姿を克明に
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