印刷 亡くなる5カ月前、最後の辞典への思いを語る大野晋さん=2008年2月、東京都内20日に刊行される「古典基礎語辞典」 日本語の起源を追究した国語学者・大野晋(すすむ)さん(1919〜2008)の最後の辞典「古典基礎語辞典」(角川学芸出版)が、今月20日に出る。病床で原稿を直しつづけたが、生前の刊行はかなわず、学習院大などの教え子13人が師の遺志を継いで完成させた。 大野さんは上代語研究で知られ、「岩波古語辞典」など多くの辞典を作り、ベストセラー「日本語練習帳」もある。作家の丸谷才一さんは「本居宣長よりも偉い最高の日本語学者」と呼んだ。 日本語とは何かという生涯の問いに答えるため、82年からこの辞典作りに取りかかった。字数に制限を設けず自由に必要なだけ書くという、辞典作りの常識では考えられない編集方針をとり、出版社内の通称「大野部屋」で教え子らと原稿をまとめた。 続きは朝日新聞デジ