リニア新幹線が想定する3つのルート。JR東海は南アルプスルート(Cルート)を前提に計画を立てている。長野県は20年来、伊那谷ルート(Bルート)を主張していた (資料:JR東海の資料を基にケンプラッツが作成) 2027年の開業を目標に東海旅客鉄道(JR東海)が進めているリニア新幹線の建設計画について、国土交通大臣の諮問機関で審議が進んでいる。月に1度のペースで9月29日までに8回の会合を開き、関係者や有識者に対するヒアリングを終えた。審議が折り返し地点に到達した今、見えてきた問題点を整理する。 審議は、国土交通省の交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会に設けた中央新幹線小委員会が担当する。委員長には東京大学大学院教授の家田仁氏が就任している。 南アルプスルートで決着できるのか 審議会で最も関心が集まっていたのは、ルートについてだ。JR東海と経由地の長野県で意見が対立し、ゆくえが注目されていた。