安倍晋三首相は二十二日、政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議との合同会議で「時間ではなく成果で評価される働き方にふさわしい、新たな労働時間制度の仕組みを検討してほしい」と労働時間規制の緩和を検討するよう指示した。 民間議員は同日、一定の要件を満たす労働者については、残業代や深夜、休日労働への割増賃金の支払いなどの労働時間規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を提言。首相の指示はこうした制度を念頭に置いたものとみられる。合同会議は労働法制を所管する厚生労働省と今後調整を本格化し、六月に改定する成長戦略への反映を目指す。 労働時間を自己裁量で決められる一方、残業代などが支払われないホワイトカラー・エグゼンプションは第一次安倍政権でも導入を図ったが、長時間労働や過労死を招くと労組などが反発し、見送られた。労組や民主党など野党の反発は必至で、導入は難航する可能性もある。