朝日新聞社(東京都中央区)の木村伊量(ただかず)社長(60)は11日、同社で記者会見を開き、東京電力福島第1原発事故で政府の事故調査・検証委員会が吉田昌郎(まさお)元所長=昨年7月死去=から当時の状況を聞いた「聴取結果書(吉田調書)」を巡る報道について、「社内で精査した結果、調書を読み解く過程で誤り、間違った記事となった。読者や東京電力の皆様におわびする」と謝罪した。木村社長は、杉浦信之・取締役編集担当を解職することを明らかにしたうえで、自身についても「すみやかに進退について決断する」と辞任を示唆した。 【吉田調書】政府HPで公開 菅氏ら調書も 朝日新聞は5月20日朝刊の1面トップで、吉田調書を入手したとして、その内容から「東日本大震災4日後の2011年3月15日、第1原発にいた所員の9割に当たる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第2原発へ撤退していた」と報じた。