「毒者」は何を求めているのか 人文系の本を書いていて一番イヤなことは、ネット上で、想定外にひどい「毒者」に出くわすことである。「毒者」というのは言うまでもなく、ちゃんと読んでいないのに、その本の著者をバカに見せようとして、様々な誹謗中傷をブログやツィッターで——多くの場合、匿名で——書き散らし、それに同意する者が一人でも出てくると、有頂天になり、論客ぶった物言いを始めようとする、どうしようもない輩である。 あまりにも目にあまるので、「書いてないことを書いてあるかのようにでっちあげて、誹謗するのはやめてもらいたい」、と抗議すると、「知識人は、(誹謗中傷を含めて)あらゆる批判を受け入れる義務がある」とか、「言論弾圧だ!」とか、「あなたが世間知らずで人格破綻者であることが判明した。私の言った通りだ」、とか、無茶苦茶なことを言って、更に騒ぐ——“論客”のやることか!多分、臆病さと、相手してもらっ