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ブックマーク / state0610.hatenablog.com (7)

  • 草薙龍瞬(2015)『反応しない練習――あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』 - おいしい批評生活

    反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」 作者: 草薙龍瞬 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版 発売日: 2015/07/31 メディア: 単行 この商品を含むブログ (7件) を見る 著者は特定の宗派に属さない独立した僧侶とのことで、また、16歳で家出・放浪→独学で東大に入学→政策シンクタンク→インドで出家という、かなりの異色なキャリアに驚かされました。 禅に関するをいくつか読んできたこともあり、「判断をやめ、現在の心のあり方を観察する」というのは理解しやすかったです。他方で、タイトルにある「合理的」というのは最初にひっかかったところで、というのもマックス・ヴェーバーは仏教を目的合理的ではない宗教に分類していたではないか、といったことが頭によぎったのでしょう。 著者によると、書が扱っているのは原始仏教と呼ばれる2500年以上前にブッダがもと

    草薙龍瞬(2015)『反応しない練習――あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』 - おいしい批評生活
    contractio
    contractio 2019/06/03
    おもしろそう。
  • 岩波明(2017)『発達障害』 - おいしい批評生活

    発達障害 (文春新書) 作者: 岩波 明 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/03/17 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 誤解の多い「発達障害」という概念に関して、豊富な事例とともに一般向けにわかりやすく紹介されています。 軽症の場合や合併症がある場合に診断が難しいため、幼少期からの生育歴などを含めて事例を詳しく記述する必要があるというのはわかったのですが、それもでやや冗長に感じられる部分がありました。特に、フィクションの登場人物や歴史上の偉人が発達障害かどうかという辺りには自分はあまり関心を持てず、むしろ後半で扱われている支援・治療プログラムがどのような理論に基づいているのかというようなことが、もっと知りたかったです。とはいえ、発達障害に関して素人が知っておくべきことはおおむねこの一冊で網羅されていると思いました。 2000年代以降に発達障害という用

    岩波明(2017)『発達障害』 - おいしい批評生活
  • 中屋敷均(2019)『科学と非科学――その正体を探る』 - おいしい批評生活

    科学と非科学 その正体を探る (講談社現代新書) 作者: 中屋敷均 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/02/13 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 「偶然」や「不確実性」と、それらが人間生活にもたらす影響に関して、14編の短いエッセイから構成されている著作でした。 「単純な条件下における絶対的な真理を求める科学」と、「100%の確実性がないことを前提とした上で現実生活への適用を考える科学」という2つを区別し、原発や農薬のリスクなどを後者の観点から説明がされています。 なぜ100%の確実性を持って言えないかというと、現実における様々な撹乱要因(たとえば、重力加速度の公式であれば空気抵抗)のためですが、これを野球盤における「消える魔球」でたとえたり、不確実な中でも何らかの保証を科学に求める姿勢を、「デルフォイの神託」になぞらえたり、科学的と思われているものが実は相当に

  • 中島岳志(2013)『「リベラル保守」宣言』 - おいしい批評生活

    リベラル保守」宣言 (新潮文庫) 作者: 中島岳志 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2015/12/23 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (4件) を見る エドマンド・バークの伝統に基づく、保守主義のエッセンスをわかりやすくまとめ、その思想を「原発問題」、「橋政治」、「大東亜戦争」などの近年の政治・社会問題に適用しています。 わかりやすさを重視してあえてやっている感じはするのですが、一方的に保守主義の主張を並べているきらいがあります。書がしばしば批判の対象としている、「(旧来的)左派」の側からのありうる批判が少ないのが、物足りないと感じられる箇所でした。フェミニズムからの批判や、マイノリティの権利保障について著者がどのように考えているのかというのも、気になったところです。 中間団体やコミュニティの重要性が論じられている箇所を読むと、デュルケームの社会理論には保守思想と呼

    中島岳志(2013)『「リベラル保守」宣言』 - おいしい批評生活
    contractio
    contractio 2018/12/25
    社会学の本流も「リベラルな保守」ですな。ここではデュルケームの名が挙がってるけど。
  • Goodman and Liao (2016) "Paul Felix Lazarsfeld’s Impact on Sociological Methodology" - おいしい批評生活

    Goodman, Leo A. and Tim F. Liao. 2016. "Paul Felix Lazarsfeld’s Impact on Sociological Methodology." Bulletin de Méthodologie Sociologique 129: 94-102. 短い論文ですが、読むべき文献がたくさん挙がっていました。 投票行動研究、マスメディア研究、パネルデータ分析など様々な分野において膨大な功績を残しているLazarsfeldですが、彼自身が方法論の分野でもっとも誇りに感じていたのは、潜在クラス分析を導入したことであると論じられています。 その後に潜在クラス分析の主な歴史に触れられており、特にGoodmanによる最尤法を用いた推定がブレイクスルーになったとのことです。

    Goodman and Liao (2016) "Paul Felix Lazarsfeld’s Impact on Sociological Methodology" - おいしい批評生活
  • Xie (2005) "Methodological Contradictions of Contemporary Sociology" - おいしい批評生活

    Xie, Yu. 2005. "Methodological Contradictions of Contemporary Sociology." Michigan Quarterly Review 44:506-11. ほぼ全訳してみました。論文中に出てくるHorowitzの批判というのは、アメリカ社会学ではけっこう大きな影響を持ったのでしょうか。実証研究をやる身としては、「定量的方法をはじめとする社会学の方法論における欠点にたいして、脅威を感じる必要はなく、むしろ研究デザインを改善するための挑戦とみなすべきである」という論文の主張は、勇気づけられるメッセージになっていますね。 「現代社会学における文化的矛盾」という小論において、Irving Louis Horowitzは社会学の暗い姿を描いた。彼が描いたものは次のようである。(1)社会学は、知的な焦点や厳密さを失ってしまい、例えば刑

    Xie (2005) "Methodological Contradictions of Contemporary Sociology" - おいしい批評生活
  • ジーン・レイヴ&エティエンヌ・ウェンガー『状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加』 - おいしい批評生活

    状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加 作者: 福島真人,ジーンレイヴ,エティエンヌウェンガー,Jean Lave,Etienne Wenger,佐伯胖出版社/メーカー: 産業図書発売日: 1993/11メディア: 単行購入: 8人 クリック: 208回この商品を含むブログ (45件) を見る 人類学の先輩からお薦めいただいた。概念は少しだけ知っていたが、ちゃんと読んでみた。 内容を大雑把に言えば、学習とは知識・技能を伝達し、獲得してゆく過程であるという従来の見方に対し、それは学習が来持っている社会的な要因を無視しているという批判であると言える。学習は個人だけで生ずる現象ではないし、個人の認知構造が変化することでもないというわけである。 書で学習とは、「人々が社会的実践を行う共同体への正統的周辺参加の過程」として説明される。「社会的実践を行う共同体」とは、村落のような自然共同体に限

    ジーン・レイヴ&エティエンヌ・ウェンガー『状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加』 - おいしい批評生活
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