安倍首相に近い自民党の若手議員たちが、作家の百田尚樹氏を招いた勉強会で、メディアへの圧力を公言したことの波紋が依然広がり続けているが、そうした中にあって一つ決定的に抜け落ちている議論がある。 それは今回の発言を受けて、メディア側にも考えなければならないことがあるのではないかという点だ。より具体的には、今回の問題を、メディアも自らの身を正すいい機会と捉えるべきではないだろうか。 今さら言うまでもないが、憲法21条に謳われている「表現の自由」とは、国民の言論が政府や統治権力からに縛られることがないことを保障したものだ。その意味で民間人である百田氏の発言は直ちにこれに抵触するものではない。しかし発言の場所が自民党本部における自民党国会議員との会合の場であったことや、会合の冒頭のメディア取材を認めるなど、そこでの発言が一定程度は社会に膾炙されることを前提とていたものと見られることなどから、全面的に