旧東京市立図書館として二番目に古い江東区立深川図書館が十日、開館百年を迎える。同館は八日から、歩みや所蔵資料を紹介する展示会を同館や区文化センターで順次開き、記念誌も発行する。
四月から休館中の都立日比谷図書館(千代田区)は、区の所有となるのに伴い、江戸城など貴重な資料を集めて展示する歴史資料館を新設する。区がまとめた基本計画で明らかになった。区によると、図書館と資料館の併設はあるが、一体的な運営は珍しい。 (松村裕子) 基本計画によると、区立資料館や別の区立図書館などに分散している地元の歴史や文化に関する資料や図書を一括して保管し、展示する。閲覧や展示も同じ場所となることで、郷土史研究がしやすくなるという。 歴史資料館は一階に新設。展示は江戸城や特徴ある商業地の神田、武家地の麹町などがテーマ。地域情報ライブラリーを併設し、郷土関連の本を置く。学芸員を定期的に派遣し、小中学生に展示を説明し、歴史愛好家らが要望する資料を探す。
栃木市民の知の拠点をめざし、同市図書館(旭町)が、四月の民営化で生まれ変わる。地元の特定非営利活動法人(NPO法人)が図書館運営のノウハウを持つ業者と共同事業体としてタッグを組んだ全国に例のない試み。図書購入費を一・六倍にし、高齢者・障害者宅への本配達、文化活動拠点の提供、開館時間延長など魅力的なサービスがめじろ押しだ。 「利益を追求する民間業者と(民間)非営利団体が協力する例は全国的にも類を見ない」と胸を張るのは、運営の中核となるNPO法人「山本有三記念会」の三室忠央事務局長。同会はボランティアで山本有三ふるさと記念館(万町)を運営しており、新たな挑戦に情熱をみせる。 プロポーザル方式で七倍の難関を勝ち抜いた。全国規模で図書館運営の実績がある大新東ヒューマンサービス、資料提供を担う紀伊国屋書店と共同事業体を組んだことで、市が求めた「安定的経営」「図書館運営経験」の壁をクリアした。県内では
旧東京市立図書館として二番目に古い歴史を誇る江東区深川図書館は、今年で百周年を迎えることから、新年度事業で戦災を逃れた昭和初期からの貴重な保管資料やフィルムなどの調査を行う。九月には記念式典や企画展なども予定している。 深川図書館は一九〇九(明治四十二)年九月、東京市立図書館として富岡の深川公園内に開館した。東京市立図書館としては、現在の都立日比谷図書館に次ぐオープンだった。だが、二三(大正十二)年九月の関東大震災で全焼。しばらくはバラックの仮設図書館で閲覧などに応じた。 現在の清澄公園内に、鉄筋三階建ての新図書館が完成したのは二八(昭和三)年。区立図書館報(八七年発行)によると、昭和初期のこの時期、利用者の九割は地元深川の住民だった。他の図書館は学生の利用者が多かったが、深川図書館は商人や職人が多いのが特徴で、館内では印(しるし)ばんてんの職人が、建築関係の本を読む姿なども多くみられた。
明治・大正期の文豪森鴎外(一八六二−一九二二年)が後半生を過ごした東京都文京区千駄木一の住居「観潮楼」の跡地に、「森鴎外記念館(仮称)」を建設する計画が本格的に動きだした。文京区は新年度予算で「鴎外基金」を創設。全国から建設資金を募りたいとしている。 (社会部・越守丈太郎) 鴎外は一八九二(明治二十五)年から六十歳で亡くなるまで三十年間、観潮楼で生活し、「ヰタ・セクスアリス」「雁」「阿部一族」「山椒大夫」「高瀬舟」など多くの名作を執筆した。
「太陽の塔」の関連グッズといえば、大阪万博を象徴する典型的な大阪みやげだが、実は、川崎に買いに来る人々も少なくない。 川崎市生まれの芸術家岡本太郎さん(一九一一−九六)の作品にひかれ、生田緑地の中にある川崎市岡本太郎美術館には、全国から年間に七万人ものファンが訪れている。 没後十二年たった今も、時代の閉塞(へいそく)感を打ち破るような岡本さんの作品や言葉は、若者たちの心を刺激する。そんな岡本作品を手のひらサイズで複製したミニチュアは、ミュージアムショップの人気商品だ。一番人気はやはり太陽の塔というが、同館も所蔵する陶製の作品「午後の日」(六七年)と「犬の植木鉢」(五四年)のミニチュアも、来館者をひきつけてやまない。
さまざまな企業の社史をひもとき、波瀾(はらん)万丈の物語を紹介する「カイシャ意外史−社史が語る仰天創業記」(日本経済新聞出版社)が出版された。著者は、社史研究家の村橋勝子さん。日本一の収蔵数を誇る県立川崎図書館(川崎区)の社史室などで調査を重ねた成果で、21社の物語が詰まっている。 (内田淳二) 意外史は、川崎区にも工場がある「味の素」から幕を開ける。主人公は、創業者の母の鈴木ナカ。医薬品の製造や消毒などに使われる「ヨード」が、身近な海藻が原料になることに目を付け、事業化に着手。昼夜を問わぬ働きぶりで事業を軌道に乗せ、後にうま味調味料を生み出す礎をつくるまでを紹介する。 「社史は『面白くない』と敬遠されがちだけれど、本当に読み応えがある。先入観を打ち消したい」と村橋さん。四十年以上にわたり、日本経団連の図書館で司書を務めてきたが、もともとは社史にまったく関心がなかったという。
和光大学(町田市)は、町田に制作の拠点を置く美術家や物故者を紹介するインターネットのウェブサイト「町田市ゆかりの美術家たち」を開設した。通常の経歴や作品紹介にとどまらず、市民ボランティアが直接取材した作家のプロフィルを書き込んでいるのが特徴だ。和光大は「地域とアーティストを結ぶツールにしたい」と意気込んでいる。
平塚市ゆかりの作家村井弦斎が明治時代に著した「食道楽」のレシピなどを盛り込んだ「2009ひらつか弦斎カレンダー」が完成した。製作したのは県立平塚農業高校・食品科学研究班の生徒たち。山田早苗班長(二年)らメンバー六人は「市内の幼稚園などで続けている食育普及活動に役立てたい」と張り切っている。 弦斎の食道楽は、主人公の恋物語に八百あまりの食のレシピを絡ませた大作。当時としては珍しい西洋料理や、湘南名物しらすのアレンジ料理を紹介し、五十万部以上を売り上げたという。著書の中で「徳育や体育よりも大切なもの」として「食育」を推す先見の明もあった。 弦斎の考えは食育活動を広げたい班の方針にマッチ、カレンダーづくりへつながった。制作は昨年九月にスタート。レシピから「弦斎カレー」などを再現してカラー写真で掲載。脚注部分には「よく〓(か)んで」「腹八分目に」「天然物を」「刺激を少なく」など、現在にも通じる弦斎
国立国会図書館(千代田区永田町)の地下深く、蔵書目録に載らない“秘密”のコレクションがある。東京都が青少年健全育成条例にもとづき「不健全」と判断した写真集や漫画など約4000冊で、今も増え続ける。価値はいずれ歴史が決める…かもしれない。 【こちらは記事の前文です】 記事全文をご覧になりたい方は、東京新聞朝刊または、携帯電話の有料会員サービス「東京新聞・東中スポ」をご利用ください。 東京新聞は、関東エリアの駅売店、コンビニエンスストアなどでお求めいただけます。 購読・バックナンバーをご希望の方は「新聞購読のご案内」をご覧ください。 掲載日やキーワードから記事を探す「記事検索サービス」もご利用ください。
文化審議会の私的録音録画小委員会が十六日午前開かれ、著作権者の許諾を得ずにインターネット上に流された携帯電話の着信メロディーや動画を、個人などが入手することを法律で禁止するよう求める報告書をまとめた。これを受け、文部科学省が来年の通常国会に著作権法の改正案を提出する。 これまでも無許諾の音楽などをネット上に流す行為は著作権法違反で取り締まり対象だったが、利用者側は規制されてこなかった。罰則は設けないものの、違法行為であることを明確化し、著作権侵害防止に力を入れている音楽業界などの動きを後押しする狙い。 ネットでの違法配信は、多機能の携帯電話や動画投稿サイトの普及に伴い増加。着信メロディーに関する日本レコード協会の昨年度の調査では、違法サイトからのダウンロードは正規サイトからの入手を約七千万件上回り、年間約四億件に上っている。
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