世界最大のスポーツの祭典の舞台は、祭りが終わって1年もたたないうちに、たなざらしになっていた。昨年8月の閉幕直後には、お金をかけない運営が評価されたブラジル・リオデジャネイロ夏季五輪。だが行政の資金難に加え、後利用法を真剣に考えてこなかった無計画さもあり、競技施設の多くは放置されたままだ。リオを引き継ぎ、3年後に五輪を開く東京にとっても、ひとごとではない。 競泳や柔道、テニスなどの競技施設が集まり、大会時はにぎわいの中心だったリオ市西部バーラ地区の五輪公園。東京ドーム25個分の敷地は平日は封鎖されている。土日祝日は市民に開放されるが、トイレも水道も日陰もなく、人影はまばらだ。 「こんなはずじゃなかった。五輪のレガシー(遺産)が我々、一般市民に引き継がれないことに怒りを感じる」。4月下旬の祝日、家族と訪れていたヘイナウド・サンタナ・ジアスさん(46)は話した。 公園内の競技施設は、ほとんど放