青いキクは、意外なほどシンプルな手法で創出できた。 Credit: Naonobu Noda/NARO 科学者の手にかかれば、赤いバラもいつか真っ青になるかもしれない。青いキクを初めて実現させた遺伝子組換え技術を応用すれば、そんなことも不可能ではないだろう。 生花店の店先には、ピンク、黄、赤など、さまざまな花色のキクが並んでいる。しかし、紫色でも青っぽい色でもない「真の青色」の発現に必要なのは、2種類の遺伝子を導入することだったと、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構・茨城県つくば市)の野田尚信らが、2017年7月26日、Science Advancesで発表した1。この研究は、青いバラの開発で知られるサントリーグローバルイノベーションセンターと共同で行われた。研究チームによると、今回の手法は、カーネーションやユリなど、他の商業的に重要な花卉にも応用できる可能性があるという。 「消費者