慰安婦問題の扱われ方で納得できない点は数多い。中でも、古今東西世界中で「兵士と性」の問題は存在したのに、日本だけに非難の矛先が向けられている現状は不条理である。米サンフランシスコ市議会で審議される慰安婦の碑・像の設置決議案もまさにそうだ。 ▼「日本軍に拉致され、性的奴隷の扱いを受けることを強制された」。決議案にはこう書かれている。基本的な事実認識が間違っている上に、橋下徹大阪市長が23日の記者会見で指摘したように「旧日本軍だけを取り上げるのはアンフェア」だろう。 ▼この問題を女性の人権の問題としてとらえて糾弾するのであれば、まず過激組織「イスラム国」などで行われている性的虐待など、現在進行形の喫緊の課題を優先すべきである。そうしないで過去の日本だけを問題視するのは、背景に政治的意図があるとしか思えない。 ▼そもそも慰安婦は性奴隷だといえるのか。そこを一つの争点とした裁判を今月13日、東京地