新型コロナウイルスの「第5波」は、なぜこれほど拡大したのか。必要な対策とは。忽那賢志・大阪大大学院教授に聞いた。 ――第5波では緊急事態宣言中も感染者が増えた。 「何も対策をしなかったら、もっと感染者は増えていたと思う。デルタ株の感染力がとても強く、宣言の効果を上回ったということだろう。宣言は4回目となり、効果は相対的に落ちているが、効果がないわけではない。残念ながら第6波も来る。来ない理由がない。それを想定して準備しておかないといけない」 ――大阪府が設置する1千床規模の臨時医療施設の監督監修を担う。施設の意義は? 「医療者の目が届かない自宅療養中の急な重症化を避けるため。もう一つは、家庭内感染が多いので、ご家族とは別の場所で療養していただく。その役割は本来、宿泊療養施設のホテルにあったが、部屋の数は限られている。臨時医療施設は、ホテルに入れない方を受け入れる避難所のようなイメージだ」