●Stephan Klasen, “Missing women in South Asia and China: Biology or discrimination?”(VOX, August 28, 2008)/【訳者による付記】本サイトで先日訳出されたばかりのコーエンのエントリーもあわせて参照されたい。 発展途上の国々では、1億人を超える女性が「消えて」しまっている。その原因は「B型肝炎」にあるとの説がここにきて大きな注目を集めている。発展途上の国々――とりわけ、中国――で出生性比が高い(男児が相対的に多く生まれている)原因は、両親がB型肝炎のキャリアだからだというのだ。本稿では、「B型肝炎原因説」に寄せられた数多くの反論を要約する。B型肝炎ではなく、性差別こそが「消えた女性」の原因なのだ。 20年ほど近く前になるが、アマルティア・セン(Amartya Sen)が「消えた女性」問題を提