『オウガにズームUP!(2)』(穂史賀雅也/MF文庫J)読了。 ライトノベルとしての普遍性をもちつつ、作者らしいキャラクターの機微を楽しめる作品で、存外完成度は高い。一般向けに作りすぎではないか、と捉えるのは原理的過ぎるというものだろう。これはこれで素晴らしいものだ。 ユージのククルに対する感情の潔癖さは、まさしく少年らしくて好ましい。個人的には愛情も親愛も友情も同根のものではないかと思うし、好きという感情をいちいち自分の中で区分けする必要はないと思うのだが、それをいろいろ考えてしまうのも若さなんだろうなあ(なんて書くと自分がものすごく歳を取った気がする…)。自分の中で規定したことに束縛されて、勝手に苛立っているユージにはすごく共感する。人間、何に一番囚われるといえば、自分にこそ囚われてしまうのだよな。自分の価値観、判断、偏見、そう言ったものに対する束縛こそ、もっとも恐れるべきなのだ。自分