学校法人「森友学園」の国有地売却をめぐる決裁文書の書き換え問題で、安倍晋三首相は23日、閣議後の閣僚懇談会で電子決裁システムの導入の徹底など再発防止策を講じるよう全閣僚に指示した。「書き換えにより行政全体の信頼が損なわれ痛恨の極みだ。閣僚が先頭に立って、全ての政府職員が一からやり直すつもりで信頼回復に全力で取り組む」と強調した。電子決裁システムは文書の修正などの履歴を自動的に記録する。全ての文
衆議院解散総選挙を受け、10月8日に日本記者クラブで党首討論会があった。その際、いわゆる加計学園問題に関する報道をめぐって、安倍晋三首相と坪井ゆづる朝日新聞論説委員の間で応酬があった。 首相は、八田達夫・国家戦略特区ワーキンググループ座長の証言に関する朝日の報道について「ほとんどしておられない。しているのはほんのちょっとですよ」と指摘。加戸守行・前愛媛県知事に関する報道も「証言された次の日に全くしておられない」と断じた。坪井氏が否定すると、首相が「ぜひ国民の皆さんは新聞をよくファクトチェックしていただきたい」と呼びかける一幕もあった。 産経新聞は、このやりとりを取り上げた阿比留瑠比論説委員のコラムを掲載。「朝日がいかに『(首相官邸サイドに)行政がゆがめられた』との前川喜平・前文部科学事務次官の言葉を偏重し、一方で前川氏に反論した加戸氏らの証言は軽視してきたかはもはや周知の事実」と首相発言を
「安倍家」「岸家」という名門政治家血族の取材を40年以上にわたって続けてきた政治ジャーナリスト・野上忠興氏が『週刊ポスト』でレポートしている安倍晋三首相に関するノンフィクション。安倍首相の「就職」にはいったいどんな背景があったのかを解説する。これは、米国留学から帰ってきたばかりの時の安倍氏の状況だ。(文中敬称略) * * * 帰国した安倍には、「就職」という人生の岐路が待っていた。 当時、農林大臣や官房長官を歴任し飛ぶ鳥を落とす勢いだった大物政治家・晋太郎の息子とあって、企業からは引く手あまただった。 晋太郎は山口県人が経営する中堅商社で社会経験を──と考えていたが、最終的には地元・下関に長府製造所を置く神戸製鋼所に入社する。 安倍の3年7か月のサラリーマン生活をお膳立てしたのは、岸(信介・元首相=安倍の祖父)にも仕えた古参秘書Aだ。これには選挙区事情が絡んでいた。 中選挙区制時代、晋太郎
安倍晋三首相が11日夜のテレビ朝日の番組「報道ステーション」で、学校法人「森友学園」の前理事長の籠池泰典被告(64)について「詐欺を働く人物」と語った。籠池被告は詐欺罪などで起訴されたが、裁判の判決はまだ出ていない。法曹関係者から「無罪推定の原則を無視した発言だ」との批判も出ている。 番組では各党党首の討論を放送。安倍首相は、番組コメンテーターから森友学園の問題について問われた際、籠池被告について「詐欺で逮捕、起訴されました。これから司法の場に移っていくんだろうと思います」としながら「こういう詐欺を働く人物の作った学校でですね、妻が名誉校長を引き受けたことはやっぱり問題があった。こういう人だからだまされてしまったんだろう」と述べた。 大阪地検は、国や大阪府・市から補助金をだまし取ったとして籠池被告と妻を詐欺罪などで起訴したが、公判は始まっていない。 元検事の郷原信郎弁護士はブログで首相の発
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。 8月3日、第3次安倍第3次改造内閣が発表されました。内閣の改造や発足の際には、各国会議員が就任した大臣たちにお祝いの電報を送ったり胡蝶蘭の鉢植えを贈呈したりするので、秘書たちはその準備に追われます。 事前に内定情報が出ることもありますが、正式に発表されるまでは注文するのを躊躇します。たまに、サプライズ人事として、内定情報がひっくり返ったり意外な人物が入閣したりすることがあるからです。 しかし、今回は正式発表前に8割以上の顔ぶれが確定したため、準備する私たち秘書は比較的バタバタせずに済みました。大変だったのは、入閣が内定していた議員の事務所の秘書たちです。皇居で行われる親任式の準備に大忙しで、「礼服はそろえたけど、靴を忘れた」と国会内の靴店に駆け込んだり、ホテルのレンタルコーナーから借りたと思われる一式を駐車場から運び込んだりしていました。 また、同
「おれは分かって言ってるんだ。ちゃんとやれ」 税制改正をめぐる議論が山場を迎えていた2014年末。菅義偉官房長官は目の前で「反対」を繰り返す総務官僚に苦言を呈した。 案件は、菅氏が総務相時代に導入を決めた「ふるさと納税」だった。地方自治体に寄付すると減税されるものだが、菅氏は寄付を増やすため、減税額の上限を倍増させることや手続きの簡素化を求めていた。 「大変なことになりますよ」。対応策が不十分なまま拡充すれば高額な返礼品で寄付を呼び込む自治体間の競争が激しくなり、高所得者にとって事実上の節税対策になる――。総務官僚はそう繰り返したが、菅氏に退けられ、拡充策は15年4月から導入された。 ふるさと納税を担当していた局長は次の人事で本省からいなくなった。「菅氏は『文句を言いたければそのときに言え』というが、本当に言ったやつはクビになる」。当時を知る関係者はいう。 ふるさと納税はその後、返礼…
新国立競技場の建設工事に関わっていた23歳の新卒男性が今年3月に失踪し、長野県で遺体で見つかった。警察などの調査で、自殺と判断された。「自殺は仕事が原因」として、両親は上野労働基準監督署に労災認定を申請、代理人の弁護士が7月20日に厚労省で記者会見した。 何が起きていたのか。男性は、大学卒業直後の2016年4月、都内の建設会社に就職し、現場監督をしていた。 2016年12月17日、新国立競技場地盤改良工事に従事することになって以降、極度の長時間労働、深夜勤務、徹夜が続いた。自殺直前の1カ月で、徹夜が3回もあり、夜22時以前に仕事が終わったのは5日だけだったという。 男性は2017年3月2日、突然失踪した。「今日は欠勤する」と会社に連絡があり、それを最後に一切連絡がとれなくなった。誰からの連絡にも応じなくなった。 そして、4月15日に長野県内で遺体が発見された。警察・病院の捜査の結果、「3月
南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊が作成した日報が「廃棄した」とされた後も陸自内で保管されていた問題をめぐり、稲田朋美防衛相は19日午前、「隠蔽(いんぺい)を了承したとか、非公表を了承したとかいう事実は全くありません」と述べ、防衛省として非公表を決めたプロセスへの自身の関与を否定した。防衛省内で記者団に語った。 【写真】防衛省に登庁した稲田朋美防衛相=19日午前10時5分、東京都新宿区、小玉重隆撮影 複数の政府関係者によると、稲田氏は2月中旬、陸自内の文書の存在について協議した省内の幹部会議に出席。会議では、情報公開請求に「廃棄した」としていた昨年7月の日報が陸自内に電子データとして保管されていたことについて対応を協議した。その際、「隊員個人が収集したデータであり、公文書ではない」との認識を共有。最終的に、公表しないことが決まったという。 陸自関係者はこうした経
安倍内閣支持29.9%に急落=2次以降最低、不支持48.6%-時事世論調査 時事通信が7~10日に実施した7月の世論調査で、安倍内閣の支持率は前月比15.2ポイント減の29.9%となった。2012年12月の第2次安倍政権発足以降、最大の下げ幅で、初めて3割を切った。不支持率も同14.7ポイント増の48.6%で最高となった。学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題が響いた。東京都議選で 稲田朋美 防衛相が、自衛隊を政治利用したと受け取られかねない失言をしたことなども影響したとみられる。 加計学園に関する 安倍晋三 首相の発言を信用できるかどうか聞いたところ、「信用できない」が67.3%に上り、「信用できる」の11.5%を大きく上回った。首相が説明責任を果たしているかどうかについても、「果たしていない」79.9%に対し、「果たしている」7.1%となり、首相に対する国民の不信感の高まりが
山本幸三地方創生相は4日、公務員の獣医師が不足しているのは「小動物獣医師がもうけるからだ」と述べ、ペットを診る小動物獣医師の待遇が良すぎるとの認識を示した。獣医学部をつくって獣医師を増やせば、ペット診療の「価格破壊」が起きて小動物獣医師の給与が下がり、相対的に給与が低いとされる公務員獣医師の不足が緩和されるという持論を述べた。 安倍晋三首相が「公務員獣医師の確保は喫緊の課題だ」などとして獣医学部を全国で増やす方針を示したことを受け、山本氏が閣議後の会見で発言した。「小動物獣医師の給与を下げるべきだと考えるか」という質問に、「そう思っている。(日本)獣医師会の資料で、1施設で5千万円以上の収入があるところが3割を超える」などと語った。 同じ6年制大学で学び、国家資格が必要な歯科医師の場合、歯科医師不足が指摘された1970年代以降、大学の新設が相次いだ。その結果、歯科医師は過剰気味となり、政府
日本の文化や商品の海外発信を目指す官民ファンド「クールジャパン機構」(東京都)で、複数の女性社員が男性役員2人からのセクハラ被害を訴え、労働組合をつくって機構側との協議を求めていることが3日わかった。役員の一人は経済産業省から出向した官僚だという。 労働組合の代理人弁護士によると、現在投資部門の責任者を務める専務は昨年7月、都内のカラオケ店に「懇親会」と称して女性社員4人を呼び出し、「ワインディナー」「手作りプレゼント」などと手書きしたくじを引かせた。3日後、専務は秘書を通じ、社員に対して引いたくじの内容を実行するよう日程調整を要求。社員が機構のセクハラ相談窓口に申し出たため、実際には実行されなかったという。 くじを引かされた4人のうち2人は、2015年夏にも当時の専務執行役員から歓迎会の2次会で太ももを触られたり、肩に手を回されたりした、と主張している。この役員は現在は機構を離れ、復興庁
特徴が掴みづらい防衛官僚 ところで、その防衛官僚である。防衛省・自衛隊はひとつの組織だが、制服組の自衛官にくらべ、背広組の官僚はあまり表に出てこない。かれらは一体いかなる存在なのだろうか。 前回に引き続き、今回も『月刊官界』を手がかりにしてみたい。これは、1975年11月から2005年2月にかけて刊行された、官僚業界に特化した雑誌である。 『月刊官界』の持ち味は、官僚個人への着目だ。そこから組織風土も窺い知れるわけだが、その筆致は相変わらず容赦がない。 グラビアから地方自治体の人物研究まで内容が充実の『月刊官界』 ある防衛官僚は「飲む、打つ、買うのなんでもござれ」であり、また別の防衛官僚は「怒るとメチャメチャで精神構造が狂ってるんじゃないか」と部下に陰口を叩かれたという。 現在なら、週刊誌のネタや訴訟沙汰になりかねない。良くも悪くも大らかな時代の産物である。 ただ、同雑誌でも防衛官僚はどう
「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」 今回の都議選の最中に、閣僚や自民党幹部から出た様々な発言の中で、安倍首相が発したこの言葉が、私にとっては最もインパクトがあった。 最終日、秋葉原で初めて街頭に立った安倍首相に対して、今回の政権を批判する人たちから発せられた「安倍やめろ」コールに怒り、「憎悪や誹謗中傷からは、何も生まれない!」と語気を強め、声のするとおぼしき方向を指さして、冒頭の言葉を言い放ったのだった。 それで思い出すのは、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が、カリフォルニア州知事に立候補し、選挙運動中に、演説会場で反対派から生卵をぶつけられた一件。彼は、そうした行為も「表現の自由」の一環だと述べ、「ついでにベーコンもくれよ」と笑い飛ばした。 そんな風にユーモアで切り返すのは無理でも、「批判を謙虚に受け止め」と大人の対応をするか、あえて知らん顔で主張を述べ続け
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く