おとぎ話や童話、寓話は世界中で親しまれており、美女と野獣やシンデレラ、白雪姫など特に有名なものは国を問わず人気がであるのはご存じの通りである。だが日本でもなじみ深いイソップ寓話(15世紀)、グリム童話(19世紀)、アンデルセン童話(19世紀)のように、出版されて広く親しまれている物語のルーツは実はかなり曖昧なものであった。 ■6000年前の青銅器時代にさかのぼるストーリーも これまで言語学、人類学の研究者たちはこれらのおとぎ話の起源は、文字にして記録されるようになる前のせいぜい数百年前のものだと想定していたが、2016年に英国王立協会のOA誌“Royal Society Open Science”で発表された最新の研究論文によると、驚くことにさらに数千年もさかのぼるものがあったことが判明したという。 英ダラム大学の人類学者ジャミー・テヘラニ氏らの研究では、各おとぎ話を言語学的に分析し、どの