愛知県の大村秀章知事が会長を務めた芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」実行委員会が、名古屋市に未払いの負担金約3380万円の支払いを求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は市側の上告を退ける決定をした。6日付。全額の支払いを市に命じた1、2審判決が確定した。 2審名古屋高裁判決などによると、市は令和元年7月までに負担金約1億3700万円を支出。同8月に芸術祭が開催されたが、企画展の内容に問題があったなどとして、2年に河村たかし市長が残額分を支出しないと表明した。
芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展などを巡るツイッター(現X)への投稿で名誉を傷つけられたとして、芸術監督を務めたジャーナリスト津田大介氏が作家百田尚樹氏に400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は13日、30万円の支払いを命じた一審東京地裁判決を変更し、賠償額を50万円に増やした。 木納敏和裁判長は「百田氏は著名な作家でフォロワーも多く、投稿の違法性の程度は低くない。津田氏が受けた精神的損害は軽視できない」と指摘した。 津田氏は16年11月~19年11月に百田氏が投稿した計20件について賠償を求めて提訴。高裁判決は今年4月の地裁判決が名誉毀損や侮辱に当たると認定した芸術祭関連など計6件に加え、別の6件も名誉を傷つける内容だと判断した。百田氏の控訴は棄却した。
芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展を巡る混乱で損害が生じたとして、高須クリニックの高須克弥院長らが、愛知県の大村秀章知事に対し、芸術監督だったジャーナリストの津田大介氏らに損害賠償を請求するよう求めた訴訟の判決が27日、名古屋地裁であり、日置朋弘裁判長は請求を棄却した。 原告は高須氏のほかに、政治団体「減税日本」(代表・河村たかし名古屋市長)の同市議ら。 原告側は、昭和天皇の肖像を燃やすシーンがある映像作品などが展示され、抗議が殺到した企画展「表現の不自由展・その後」を巡る混乱で、文化庁が減額した補助金を津田氏らが賠償すべきだなどと主張していた。 しかし、日置裁判長は判決理由で、減額分は芸術祭実行委員会が県側に戻し入れたと指摘。一時中止となった企画展の再開に伴う警備費も、県ではなく実行委の負担だったとして、県に損害の発生は認められないと結論付けた。
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あいちトリエンナーレ2019でも展示された動画作品。昭和天皇の肖像を燃やすような場面が登場する=今年7月、名古屋市 愛知県で開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」内の企画展「表現の不自由展・その後」で、昭和天皇の肖像を燃やすような動画作品が展示され、精神的苦痛を受けたとして、大阪府内在住の主婦3人が14日、トリエンナーレの実行委員会長を務めていた大村秀章・愛知県知事らに慰謝料を求め、大阪地裁に提訴した。代理人弁護士が取材に対し、明らかにした。 訴状によると、トリエンナーレは大村氏が会長、ジャーナリストの津田大介氏が芸術監督を務め、令和元年8月から開催。企画展の一つの「不自由展」に展示された動画作品には、コラージュ画に使われた昭和天皇の肖像をガスバーナーで燃やし、灰を足で踏むようなシーンが再三登場した。 原告側は、こうした表現行為は、憲法1条で日本国の象徴と位置づけられる天皇、
愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件は、署名活動団体の事務局幹部ら4人が地方自治法違反容疑で逮捕される事態に発展した。大量の署名偽造はなぜ起きたのか。住民の政治参加を保障するリコール制度の信頼を揺るがした事件の背景について3回に分けて報告する。 「税金を何だと思っているのだ! トリエンナーレ、あっちこっちに電凸(電話攻撃)したので報告」 2019年8月、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長がツイッターに投稿すると、瞬く間に同調するコメントが集まった。「高須先生の力で大村知事に天罰を与えてください」「大村には知事を辞めていただきたい」――。賛同を示す「いいね」は1万7000件に上った。 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動は、同月開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で、昭和天皇の写真を燃やす場面がある作品などが展示されたことを発端に始まった。
大村秀章知事に対するリコール活動で提出された署名について、現職の公職者が本紙に、無断で名前を書かれていたと証言した。 愛知県議の神谷和利氏(自民、豊田市)は、不正な署名が含まれている疑いをインターネットで知り「解職を求めていないのに名前があったら困る」と市選管に個人情報の開示を請求。名前があると連絡を受け、「刑事告訴も頭にある」と憤った。同様に名前があった杉江繁樹県議(同、常滑市)も「真相を究明してほしい」と警察に被害を伝えたという。
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