旧日本海軍の駆逐艦「雪風」といえば、数々の修羅場をくぐり抜けたにもかかわらず、ほとんど損傷らしい損傷を受けることなく終戦を迎えた超絶強運で知られる艦です。やはり、そこまでの運を呼び込むだけの、それらしい背景がありました。 「雪風」は沈まず! 太平洋戦争において、旧日本海軍は実に多くの艦艇を喪失しました。そうしたなか、激戦をくぐり抜け生き残り「不沈艦」「強運艦」などと呼ばれた艦艇も何隻か存在します。無論、そうした「不沈」「強運」と称揚される艦艇でも、程度の差こそあれ大抵は損傷しドック入りなどしているものですが、一方で数々の海戦に参加しながらも、さしたる損傷もないまま終戦まで生き残った艦がいました。聞けば聞くほど常識外れとしか思えない強運を誇るのが、駆逐艦「雪風」です。 拡大画像 1940(昭和15)年に佐世保で撮影された、旧日本海軍の駆逐艦「雪風」(画像:アメリカ海軍)。 陽炎型駆逐艦8番艦