アジアの経済成長とともに、メーカーと製造会社(EMS=Electronics Manufacturing Service)の立場は驚くほど変化している。 米大手企業によるスマートフォン市場の席巻、ローカル市場だった巨大なアジア企業の躍進。ダブルパンチで国内大手メーカーは低迷が続く冬の季節に。テレビ、パソコン、カメラといった看板製品の生産台数はわずか数年で激減した。 一方、EMSはアジア経済と並んで成長曲線を描く。結果、強いはずの発注側が貧しくなり、立場の弱い受注側が豊かになるという逆転現象が起きた。iPhone製造元のEMS大手・鴻海(ホンハイ)精密工業のシャープ吸収は象徴的だ。 写真:「鴻海はどんなことがあってもシャープのディスプレーがほしい」 いまやアジアEMSは単なる製造会社にとどまらない。「GoPro」や「Fitbit」の次を開発するであろうベンチャー企業を囲いこむファンドを設立し