そもそも、「自分探し」という言葉自体に、やや違和感があります。「自分」は「探す」もの? 概念はきっと昔からあるはずですが、言葉はいつからあるものなのでしょうか。 朝日新聞の過去記事を調べてみると、さかのぼれるだけで一番古い(※1)のは、1989年9月。平成が始まった頃でした。登場したのは、千利休の生き方や思想を考えるシンポジウムのタイトルとしてでした。(※1 朝日新聞東京本社発行の地域面を除く記事) その後、1994年頃から増え始め、2004年には年間43本の記事で「自分探し」という言葉が使われていました。それから徐々に減っていき、2010年に37本の記事で使われた一方、その後は15本前後で推移しています。 「自分探し」という言葉にも、はやり廃りがあるようです。《自己啓発の時代 「自己」の文化社会学的探究》などの著書がある大妻女子大学の牧野智和准教授(教育社会学)に聞いてみました。 尾崎豊