経団連の会合「ダイバーシティ推進委員会」で講演する元最高裁判事の桜井龍子さん=東京都千代田区で2024年5月29日午後3時55分、町野幸撮影 「夫婦同姓を定める民法の規定に違憲判決が出る可能性がある」――。29日、東京都内での講演で元最高裁判事がこうした認識を示した。その背景には、日本の裁判で最近認められた「ある考え方」があるという。 違憲判決の可能性に言及したのは、元最高裁判所判事の桜井龍子さん(77)。結婚後も希望すればこれまでの姓を戸籍名にすることができる「選択的夫婦別姓制度」の早期導入を訴える経団連が開いた講演で考えを示した。 桜井さんは夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定について、最高裁が2度目の合憲判断を示した2015年の判決で現行規定に違憲の立場を取った。自らも、旧姓である「藤井」姓の使用が認められなかったことで仕事上の不利益や喪失感を味わった経験があった。 今年3月には、夫