「起立性調節障害」という病気、ご存じでしょうか。思春期に多くみられ、立ちくらみやめまいなどを起こしやすく、朝起きるのがつらくなって、不登校の原因にもなります。中学生の10人に1人に症状があるとも言われています。 根性や気持ちの持ちようでは治らない“病気”。でも「怠けている」「仮病だ」、そんな誤解を受けることが多いのです。苦しみを訴える声が、広がり始めています。 (ネットワーク報道部記者 和田麻子 大窪奈緒子 木下隆児)
記録的な暑さに見舞われた今夏。学校の教室にエアコンを導入する自治体が増えている。一方で「エアコンを使うと汗をかけない子どもになるのでは」と心配する声もある。本当なのだろうか。 部屋が暑い時や、走っている時に、顔を真っ赤にしている子どもをよく見かける。実はこれ、体の熱を放熱しているために起きている現象だ。 人間は二つの方法で体温を調節している。一つは皮膚の血流を増やして外気温との温度差を利用して空気中に放熱する方法。もう一つが発汗で、汗が気化する時に熱が奪われて体温が下がる。大人は、この二つをうまく使って、体温調節をしている。 ところが子どもは汗を十分にかけず、体温調節を皮膚からの放熱に頼っている。顔が赤くなるのは、顔の皮膚の血流が増えるため。気温35度を超えると、逆に皮膚から熱を体内へ取り込んでしまうので熱中症に特に注意だ。子どもは汗っかきだと思いがちだが、実は違うらしい。 では、子どもは
ちょっと外に出かけただけで、止まらない汗、汗、汗。猛暑が続くこの夏、ネット上では、「汗」をめぐって、こんな声が話題になっています。「エアコンを使うと、子どもの汗腺が発達しない」ーーーエアコンと汗腺の発達、実際、どのような関係があるのか、調べてみました。(ネットワーク報道部記者 管野彰彦 飯田耕太 玉木香代子) 「誤解を招きかねないと判断し、削除いたしました」 汗腺をめぐり、大手精密機器メーカーの「コニカミノルタ」は、7月20日、ネット上に掲載したコラムを削除しました。 「コニカミノルタ」の広報担当者に聞くと、コラムでは、体臭に詳しいクリニックの医師の書籍を参考に、保護者が冷房を使いすぎていることから汗腺が十分、発達しない子どもが増えているとしていました。そして、「子どもたちが空調の効いた環境でしか生活できないようになったのは、親である保護者が、子どもが小さなうちからエアコン漬けにし、汗をか
水分補給に良いとされるイオン飲料やスポーツドリンクなどを多量に飲み続け、健康状態が悪化した乳幼児の報告が、昨年までの10年間で少なくとも24例、31年で33例あったことが日本小児科学会などの調査でわかった。栄養が偏ったためとみられる。こうした飲み物を継続して多量にとらないよう専門家は注意を呼びかけている。 問題となっているイオン飲料と呼ばれる飲み物のほとんどは、糖やミネラルを含むが、糖をエネルギーに変換するのに必要なビタミンB1が含まれない。ビタミンB1を含むミルクや離乳食などをとらずに多く飲み続けると、ビタミンB1欠乏症になる。頻度はまれだが、脳症や脚気(かっけ)になることがある。 同学会などでつくる日本小児医療保健協議会の栄養委員会(位田忍委員長)が昨年、全国約400の学会専門医研修施設に郵送で調査した。これらの飲料を多くとって健康状態が悪化したとみられる症例を尋ね、文献でも調べた。
O脚や背中が曲がるなど、子どもの骨の発育不良を起こす「くる病」が増えている。ビタミンDの不足で発症し、栄養状態が悪かった過去の病気とみられていたが、再燃してきた。日光を過度に避けることが一因となっている。 ビタミンD不足が主な原因 大阪府堺市の男児(3)は生後7カ月のころ、アレルギーの検査で血液中のビタミンD不足がわかった。その後、X線検査などを受け、くる病と診断された。父(48)と母(37)は「聞いたこともない病名で、不安になった」と振り返る。 くる病は、子どもの骨が軟らかいまま十分に成長できず、手足の変形や発育不全を引き起こす。骨の元になるカルシウムを体内に取り込むのに必要なビタミンDの不足が主な原因だ。 大阪大学の大薗恵一教授(小児科)の説明では、くる病は栄養が慢性的に不足していた19世紀~20世紀初頭には「ありふれた病気だった」という。その後、ビタミンDが豊富なタラの肝油をとったり
公益社団法人 日本小児歯科学会 〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-9 駒込TSビル3階 一般財団法人 口腔保健協会内 TEL:03-3947-8891(代) jspd@kokuhoken.or.jp 公益社団法人日本小児歯科学会 これまで保育所・幼稚園、学校では昼食後にはなるべく早く歯みがきをしてから遊びましょうと指導してきています。その理由としては、むし歯をつくる細菌が多量に含まれる歯垢(プラーク)と食後口の中に残留する糖質を早く取り除くためだからです。 ところが、最近になって、食後すぐに歯をみがくと、あたかも歯が溶けてしまうというような報道が新聞やテレビで伝えられたため、現場がやや混乱しているようです。 これらの報道のもととなったのは、実験的に酸性炭酸飲料に歯の象牙質の試験片を90秒間浸した後、口の中にもどしてその後の歯みがき開始時間の違いによる酸の浸透を調べた論文で、むし
乳児のアトピー性皮膚炎の原因をめぐる新たな所見を受け、一部の科学者は調査に乗り出している。親による乳児の皮膚の手入れ方法がこの皮膚炎の引き金となる可能性が示唆されたためだ。 最新の複数の調査結果によると、アトピー性皮膚炎を引き起こす可能性があるのは、乳児の入浴頻度、せっけんやシャンプーの含有成分、入浴後に適切に皮膚を保湿しているかなどの要因だ。研究者は乳児の入浴は週に2〜3回で十分で、多くの場合は洗いすぎかもしれないと指摘する。アトピー性皮膚炎になると、皮膚が乾燥し、かゆみを伴う炎症を引き起こす。 科学者が確信を強めているのは、入浴や汚染物質、室内暖房などの環境要因が、皮膚内の水分を保持しアレルギー誘発物質や細菌を排除するといった皮膚本来の能力を妨害する可能性がある点だ。これにより皮膚の最外層のバリアが弱まり、外部からの刺激物質が皮膚に浸透することで免疫系反応を引き起こす。一部のアトピ
母乳に含まれる脂肪酸が子どもの体内で脂肪を燃やす遺伝子のスイッチを入れる働きをしていることを、東京医科歯科大学などのグループがマウスを使った実験で突き止めました。 ヒトにも同じ仕組みがあるとみられ、グループは、乳児期に必要な量、脂肪酸を摂取することが糖尿病など生活習慣病の予防につながる可能性があるとみています。 東京医科歯科大学の小川佳宏教授らのグループは、生後まもないマウスの赤ちゃんと母乳で半月余り育てた赤ちゃんで、脂肪の燃焼に関連する3つの遺伝子の状態を比較しました。 その結果、母乳で育てたマウスの赤ちゃんでは、3つの遺伝子のいずれにも、遺伝子のスイッチの役割をするたんぱく質に母乳に含まれる脂肪酸が結合し、スイッチをオフからオンの状態に変えていました。 また、その結果、遺伝子の活動量も、生後まもない赤ちゃんに比べ、2倍から4倍活発になっていました。 グループによりますと、ヒトにも同じ仕
乳幼児の内からある程度のバクテリア(細菌)にさらされていた方が抵抗力がつくという説は「衛生仮説(Hygiene Hypothesis)」と呼ばれ、よく言われてきたが、米メリーランド州ボルチモアにある、ジョン・ホプキンス児童センターが、新たにこの説を裏付ける研究結果をアレルギー臨床免疫学ジャーナルに発表した。 ホコリやチリ、ダニ、猫のフケやゴキブリの糞などの複数のアレルゲンやバクテリアにさらされていた方が、喘息やアレルギーになりづらくなるという。その効果は生後1歳未満の方が顕著に表れるそうだ。
■予防効果は期待できず 食物アレルギーの原因食材のうち、そばとピーナツについて、9割の母親が、子供が1歳を超えても離乳食として食べさせていないことが、環境省の大規模調査で分かった。そばとピーナツは重篤なアナフィラキシーを起こすことから、保護者が意図的に食べさせる時期を遅らせている姿が浮き彫りになった。ただ、調査を担当した国立成育医療研究センターアレルギー科の大矢幸弘医長は「食べさせる時期を遅らせても食物アレルギーの予防効果はない」としている。 調査は、環境省が子供の病気や健康に環境が与える影響を妊娠段階から調べるため、平成23年から始めた「エコチル調査」の一環として実施。1歳の子供を持つ母親や家族約2万6千人が回答した。 それによると、離乳食の開始時期は6カ月が45%で最も多く、5カ月の40%が続き、5、6カ月で85%を占めた。また、母親の年齢が高いほど離乳食の開始時期が遅い傾向にあった。
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食生活の豊かな現代社会で、乳幼児に潜在的なビタミンD欠乏症が増えているという。ビタミンD欠乏症といえば、貧しかった時代の病気で、骨の変形や成長不全を起こす「くる病」だ。 「表面的には栄養がよいので分からないが、今の赤ちゃんはビタミンD欠乏症になる境目にいる子が多い。全乳幼児の3割ぐらいがそういう子ではないか」と岡山大大学院の田中弘之・助教授(小児科)は指摘する。 ▽日光でも合成 ビタミンDは腸管でのカルシウム吸収を促進する働きを持つが、乳児の場合、母乳だけではビタミンDが不足することが分かっているという。 母乳は1リットル中にビタミンDを110国際単位含む。栄養学では乳児は1日650mlの母乳を飲むとされ、約70国際単位の摂取となる。 それを補っているのが、毎日の日光浴。紫外線が皮膚に当たると、そこでコレステロールからビタミンDが合成される。 「東北地方あたりでも、両手と顔だけ
Tweet 東京都の水道水が放射能汚染され、基準値を超えるヨウ素が検出され、乳児の水道水摂取は控えるようにと発表がありました。 粉ミルクで哺乳をしていた乳幼児にはミネラルウォーター等でミルクを作るしかありません。 ですが、ミネラルウォーターも本来ミネラルを摂り過ぎてしまうために赤ちゃんの摂取にはあまり適しておりません。 ではどうすればいいのか? 森永乳業さんに電話をして聞いてみましたので、ご紹介します。 乳児・乳幼児を抱えるご家庭の方にはぜひ見ていただきたい内容です。 放射能汚染された水道水よりもまだミネラルウォーターで粉ミルクを作るほうがいい これは一応聞いてみたものですが、放射能汚染された水道水よりもミネラルを多少摂り過ぎてしまうことになってもミネラルウォーターで作ったほうが良いとのこと。 追記:一部情報で、水道水でも一度沸騰させれば使えるとの情報が出回っているようですが、これは間違い
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