先日から大きな話題になっていたJASRAC対音楽教室裁判の最高裁判決が本日出ました(参照記事)。 最高裁における争点は、音楽教室における生徒の演奏に著作権者の演奏権が効いてくるかということでした。今までの流れを簡単にまとめると、地裁判決は音楽教室における先生の演奏も生徒の演奏も著作権法上の演奏に当たり演奏権が効いてくる、知財高裁判決は音楽教室における先生の演奏は著作権法上の演奏に当たるが、生徒の演奏は当たらない、そして、最高裁判決は知財高裁の結論を踏襲し、生徒の演奏は当たらないと判断しました。判断の具体的ロジックについては、判決文の公開後に追記します。 最高裁では生徒の演奏分についてしか議論していなかったので、知財高裁判決における音楽教室における先生の演奏は著作権法上の演奏に当たるという結論が最高裁でひっくり返るという話は元より想定し難い話でした。 音楽教室において先生が演奏しないというこ
レッスンで使う楽曲について音楽教室が著作権使用料を支払う必要があるかどうかが争われた裁判で、最高裁判所は生徒の演奏は対象にならないとする判決を言い渡し、先生の演奏にかぎり教室側に使用料を徴収できるという判断が確定しました。 音楽教室での著作権について司法判断が確定するのは初めてです。 ●今回の裁判と最高裁判所の判決のポイントを、記事の後段でQ&A形式でまとめています。 ヤマハ音楽振興会などおよそ250の音楽教室の運営会社などは、楽曲の著作権を管理するJASRACが2017年、音楽教室に楽曲の使用料を請求する方針を示したことに対し、「支払う義務がない」と主張して訴えを起こしました。 2審は先生と生徒の演奏を分けて考え、先生の演奏については使用料を徴収できるとした一方、生徒の演奏は対象にならないと判断し、最高裁では生徒の演奏について音楽教室から使用料を徴収できるかが争われました。 24日の判決
8月23日、文化庁は、「私的録音録画補償金制度」の新たな対象機器にBlu-rayディスクレコーダーを追加する著作権法施行令の改正政令案について、パブリック・コメントの募集を開始した。 従来、Blu-rayディスク(BD)レコーダーは、私的録音録画補償金制度の対象にはなってこなかった。だが今回はそれを改め、製品の販売価格に補償金を転嫁できるようにすることを目的としている。政令指定が行われた場合、BDレコーダーの販売価格は上がる可能性が高い。 だがこの話は、それ以上の大きな問題につながっている。これまでの経緯と、問題点を解説してみよう。 事実:「私的録画補償金」は過去10年、機能していない まず「私的録音録画補償金制度」とはなにか、解説しておきたい。 この制度は著作権法で定められたもので、制度がスタートしたのは1999年7月にさかのぼる。デジタル技術による録画機(DVDレコーダーなど)の登場を
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ピアノ教室などのレッスンで使われる楽曲の著作権をめぐり、使用料の請求の対象となった音楽教室などがJASRAC=日本音楽著作権協会を訴えた裁判で、東京地方裁判所は使用料を請求できるという判断を示し、教室側の訴えを退けました。音楽教室での著作権をめぐる初めての司法判断で、全国の音楽教室に影響を及ぼすとみられます。 楽曲の著作権を管理しているJASRACは、おととし4月以降、レッスンで楽曲を使うピアノなどの音楽教室についても使用料の徴収の対象にしています。 これについてヤマハ音楽振興会など、およそ250の音楽教室の運営会社などは「音楽文化の発展を妨げるもので許されない」などとして、JASRACを訴えました。コンサートなど公衆の前で楽曲を演奏する場合、著作権法に基づいて作曲者などへの使用料が発生しますが、裁判ではレッスンでの演奏が公衆に聞かせる演奏に当たるかどうかが争われました。 28日の判決で東
「公立学校が校歌の歌詞を卒業式の式次第に印刷(複製)することについてJASRACから指導があったらしい件」というtogetterまとめを読みました。ある学校が、卒業式で参加者に歌詞を印刷して配ることが「JASRACの指導により」できないため、代わりに(出席者が見ながら歌えるようにするための)校歌額を設置することで対応したという話です。 そもそも、校歌の作詞をJASRAC信託者に依頼することがあるのでしょうか?結構あるようです。JASRACの作品データベースJ-WIDで、後方一致「校歌」でタイトルを検索すると、何と19,461件ヒットしました(ドラマ金八先生における「桜中学校歌」等リアルな校歌でないものも含まれています、一方「~校歌」というタイトルではない校歌もあるでしょう)。有名な例としては、谷川俊太郎氏作詞の校歌(参考Wikipediaエントリー)や秋元康氏作詞の校歌(参考過去記事)など
JASRACが学校の校歌にまで金を要求していると話題に 1 名前:ロシアンブルー(茸) [ニダ]:2019/09/20(金) 21:50:26.59 ID:HtxjBlIs0 子供の学校の校歌にJASRACが物申しているらしい。 校歌の歌詞を記載出来ないってそれJASRACに金を納めろってことやんな。すげぇわJASRAC。マジか。 https://twitter.com/ggaass_/status/1174653390359429120 8: エキゾチックショートヘア(図書館の中の街) [DE] 2019/09/20(金) 21:52:34.81 ID:9S+wxMaz0 まじでヤクザだわ 13: ピクシーボブ(宮城県) [US] 2019/09/20(金) 21:53:39.97 ID:YFehaJI+0 詐欺だろこれw 16: ヨーロッパオオヤマネコ(茸) [CN] 2019/09
JASRAC(日本音楽著作権協会)は、6月の社員総会で、利用者から徴収した使用料のうち、分配保留となって10年以上が経過した「分配保留金」をすべての委託者(作詞家、作曲家など)に共通する目的にかなう事業のために支出することを可能にする著作権信託契約約款の変更を可決した。累積した約16億円と今後毎年発生が見込まれる分を原資として、2020年度から事業がスタートする。具体的に、どんな制度になるのだろうか。 これに先立つ4月、JASRACの浅石道夫理事長は、弁護士ドットコムのインタビューに「(著作権管理ではない)もう1つのエンジンを手に入れる」と語っていた。このとき、具体的な内容は明かされていなかったが、今回の制度が「もう1つのエンジン」になるという。浅石理事長にふたたびインタビューして、詳しく聞いた。 ●どうしても分配保留金は溜まっていく ――そもそも「分配保留金」とは、どういうものですか?
音楽著作権をめぐる問題は、当欄でもこれまでに何回か取り上げている。 この問題は、私が「テクニカルライター」という肩書きで、IT(当時はまだ「IT」という言葉は発明されていませんでしたが)まわりの原稿を書いていた1980年代から90年代にかけて、いくつかの媒体で記事化している。 当時から私の立場はわりと一貫している。 この20年ほど、私は、日本音楽著作権協会(=JASRAC。以下「ジャスラック」と表記します)が著作権使用料を要求する対象が拡大の一途をたどってきたことに、その都度 「行き過ぎじゃないか?」 「その要求は無理筋だと思うが」 と、違和感ないしは疑義を表明してきた。 もちろん、ジャスラックから回答なり反応なりが返ってきたことはない。 私が一方的にいいがかりをつけてきただけの話だ。 一時期は、「ジャスラック」という単語を自分の原稿の中に書く時に、必ず 「シャイロック、じゃなかったジャス
「JASRAC、音楽教室に"潜入"2年 主婦を名乗り」というニュースがありました。 音楽教室での演奏から著作権料を徴収しようとしている日本音楽著作権協会(JASRAC)が、職員を約2年間にわたって「生徒」として教室に通わせ、潜入調査していたことが分かった。9日には、両者の間で続く訴訟にこの職員が証人として出廷する予定だ。 ということです。 少なくとも心情的には「潜入調査」には反感を覚える人が多いのは当然とも言え、匿名掲示板等で多くの批判の声が聞かれます。一般に、JASRAC調査員が客を装って現地調査をすることは珍しくはなく、裁判においてJASRAC管理曲は利用していないとの相手の主張への反証として、客として入店したJASRAC調査員による調査結果が使用されることはよくあります。掲示板で「囮捜査なので違法では」などと書いている人がいますが、囮捜査は刑事の話なので今回とは関係ありません。 そも
音楽教室での演奏から著作権料を徴収しようとしている日本音楽著作権協会(JASRAC)が、職員を約2年間にわたって「生徒」として教室に通わせ、潜入調査していたことが分かった。9日には、両者の間で続く訴訟にこの職員が証人として出廷する予定だ。 職員は「主婦」、発表会にも参加 潜入調査についてJASRAC広報部は「演奏権は形に残らず侵害されやすい権利。調査は利用の実態を把握し、立証するために必要だ」と説明している。 訴訟では、教室での講師や生徒の演奏が、著作権法が定める「公衆に聞かせる目的の演奏」に当たるかどうかが争われている。 JASRAC側が東京地裁へ提出した陳述書によると、職員は2017年5月に東京・銀座のヤマハの教室を見学。その後、入会の手続きを取った。職業は「主婦」と伝え、翌月から19年2月まで、バイオリンの上級者向けコースで月に数回のレッスンを受け、成果を披露する発表会にも参加した。
本日、はてなは一般社団法人日本音楽著作権協会(以下JASRAC)が管理している楽曲のはてなブログでの利用について包括的利用許諾契約を締結いたしました。これにより、はてなブログのユーザー様がご自身のブログにJASRAC管理楽曲の歌詞を掲載することが可能となります。 ただし、契約の対象ははてなブログのみで、はてなの運営する他サービスは含まれませんのでご注意ください。 また、はてなブログにおいても無制限に歌詞を掲載できるものではなく、掲載にあたっては一定の制約がございます。下記の注意事項をご確認の上、ご利用いただきますようお願いいたします。 注意事項 対象となる歌詞はJASRACの管理楽曲のみとなります。JASRACの管理していない楽曲については本契約にて掲載が許諾されません。楽曲の著作者または著作権管理者を確認し、直接許諾を得て掲載してください。 JASRACの管理楽曲は、下記サイトにて検索が
自分で作詞・作曲した楽曲なのに、使用許諾を拒まれて、ライブが開けず、精神的苦痛を受けたとして、シンガー・ソングライターの、のぶよしじゅんこさんら3人が、JASRAC(日本音楽著作権協会)を相手取り、計385万円の損害賠償をもとめる訴訟を東京地裁に起こした。1月11日、第1回口頭弁論が開かれて、JASRAC側は請求棄却をもとめた。このあと弁論準備に入るが、ミュージシャンによる提訴は異例ということだ。はたして訴訟のポイントは何だろうか。 ●ライブを開けなかったミュージシャン 訴状によると、のぶよしさんは音楽出版社を通じて、自分が作詞・作曲した楽曲の著作物管理契約をJASRACと結んでいる。のぶよしさんが2016年5月、東京・八王子市のライブハウス「X.Y.Z.→A」でライブを開催するために、オリジナル曲6曲を含む12曲の演奏申し込みをおこなったが、JASRACに拒否されて、ライブが開けなかった
日本音楽著作権協会(JASRAC)と音楽教室が著作権料の徴収で対立している問題で、6月末までに、音楽教室を運営する21事業者(36教室)が支払いに応じる契約を申し込んだ。JASRACが10日、記者会見で明らかにした。 JASRACは約850事業者(約7300教室)に対して3月、契約を促す文書を送付。楽曲の著作権料として受講料収入の最大2・5%の支払いを求めている。契約の時期は問わず、今年度分は1割引きとする内容を提示したという。作詞家でもあるJASRACのいではく会長は、支払いを拒む音楽教室を会見で批判。「会長というより作家、権利者の一人として言うと、世の中に、仕入れが全くない商売ってあるんだろうか」「たたき売りは、がまの油やバナナが仕入れ商品で、口上を述べて売るのは技術。同じことで、教えることは技術、仕入れは音楽や歌と考えれば、仕入れ代を払うのは当たり前だ」などと述べた。 大手のヤマハ音
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