この「極言暴論」の連載を始めて、そろそろ7年目を迎える。ほぼ毎週書き続けてきたから、よくもまあネタが尽きなかったなと我ながら感心する。最近は、企業の経営者のデジタルリテラシーの幼稚さや、行政のIT・デジタル施策の駄目さ加減にも論評の戦線を広げているが、メインで暴論してきたのはユーザー企業のIT部門や人月商売のITベンダーにおける構造問題だ。そんな「スモールワールド」でネタが尽きなかったのは恐るべきことだ。 スモールワールドと書いたが、この小さな世界は問題だらけで諸悪の根源だ。日本企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)などで後れを取り、ハイテク産業であるはずのIT業界は日本の場合、多重下請け構造の人月商売という前近代的な労働集約産業のまま、世界のイノベーションから取り残された。その結果、日本は「IT後進国」に落ちぶれ、一つ間違えば先進国の地位から転がり落ちかねない事態を招いた。 まあ