今年夏。ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの伝記映画が日本でも公開された。 封切り時、見損なっていた。仕事が立て込んでいて。(このような理由のこのような振る舞いが人間を確実に劣化させる)。 羽田―シャルル・ド・ゴール間の機内で、往路復路1回ずつ見た。あのモニターで見るのはいかがなものかというのと、12時間のうち9時間は眠っているので、基本、飛行機では映画は見ないのだけれど、今回だけは、我慢できなかったのだ。 実は少し泣いた。飛行機の中で。死ぬほど恥ずかしい。 タイトルは、“Love&Mercy”。キャストだけひと工夫施してあって、1960年代のブライアン・ウィルソンを演じるのが、ポール・ダノ(すごく似ている)。80年代をジョン・キューザック(まったく似ていない。そこは捨てて、独特の立ち居振る舞いを表現する能力でキャスティングされている)という風に、ひとりの役に2人のアクターをあて