「この作品の連載を始める前に戦闘機イーグルに体験搭乗しました。Gがかかるときよりも、マイナスGの方が苦手でした」と話す有川浩さん 有川浩さんの新刊『空飛ぶ広報室』(幻冬舎)が人気を集めている。航空自衛隊の広報室を舞台に、隊員らの恋模様とともに自衛隊の現状が描き出される。 物語は交通事故で戦闘機パイロットの夢を断たれ、広報班員になったばかりの空井大祐と取材に訪れたテレビ局の女性ディレクター稲葉リカが出会うところから始まる。航空自衛隊について説明する空井に稲葉は「戦闘機って人殺しのための機械でしょう?」と口走る。 「外部から向けられる無理解な発言は、広報の仕事に対する評価だと思えるのが優れた広報マインドを持った人だと思います。不本意なことを言われるのは広報が足りていないからだと。私に『航空自衛隊の小説を書きませんか』と売り込んだ広報室長やベテラン広報官のモデルになった方は、そんな意識を持ってい