パプアニューギニアの高地に滞在するうち、サツマイモが主食でタンパク質摂取が少ない現地の人たちが筋骨隆々だと気づいた梅崎先生。 糞便サンプルを集めて分析し、窒素を固定する機能を持つ腸内細菌を探りあてました。 人類と腸内細菌との素敵な共生関係とは? たとえば、ライオンは地域が別でも肉食ですが、人類の食べ物は地域ごとにいろいろです。アフリカにいた頃にはまだ小さかった人類の多様性は、各地に広がって環境に適応するうちに拡大しました。そうした人類の多様性の解明を目指すのが、人類生態学です。 糞便から腸内細菌を調べる 人類生態学では調査地に長く滞在することが多く、私の場合はそれがパプアニューギニア高地でした。現場に入らないと見えないテーマを探すのがこの分野の醍醐味です。初めて現地に赴いたのは、博士1年だった1993年。通算2年超の滞在で感じたのは、現地の主食がサツマイモでタンパク質摂取が明らかに足りない
現在、いくつかの国や地域では、サンゴ礁の白化が問題になっています。 これは海水温の上昇によって生じる現象であり、この状態が続くならサンゴ礁は壊滅してしまいます。 そこでオーストラリア・サザンクロス大学(SCU)の国立海洋科学センター(National Marine Science Centre)に所属するダニエル・ハリソン氏ら研究チームは、海上の雲を増強して太陽光を跳ね返す「マリン・クラウド・ブライトニング(Marine Cloud Brightning)」を試行しました。 将来的には海水温の上昇が抑えられ、サンゴ礁の白化現象を阻止できるかもしれません。 研究の詳細は8月25日、科学誌『Nature』にニュース記事として掲載されました。 Can This ‘Cloud-Brightening’ Technique Save the Great Barrier Reef? https://i
台湾海峡有事シミュレーション2:概要と評価 2024-03-29 小谷哲男(日本国際問題研究所主任研究員、明海大学教授) 「伝統的安全保障リスク」研究会 FY2023-1号 「研究レポート」は、日本国際問題研究所に設置された研究会参加者により執筆され、研究会での発表内容や時事問題等について、タイムリーに発信するものです。「研究レポート」は、執筆者の見解を表明したものです。 はじめに 本稿は、2023年度に日本国際問題研究所が実施した台湾海峡有事を想定したシミュレーションの概要と評価をまとめたものである。 今回は日本の反撃能力が各アクターの思考や有事の流れにどのような変化をもたらすかについて注目した。また、各ターンの戦況を日米台の士気に反映させ、士気がゼロになるとゲーム終了とした。 1. シミュレーションの概要 第1ターン(海上封鎖) 中国は台湾に対する演習名目での海上封鎖の実施 米国は参戦
本日のポストでは、あからさまには聞いてこないが、皆随分関心があるんだろうな、と感じるお金のことについて書いてみたい。 わかりやすくいうと、私がこの4年間、どのようにお金をやりくりしたのか、ということ。依頼された仕事の報酬について、どんなことを考えてきたかということ。 在野研究者を決意したときに立てた目標 前任校の契約が切れ、在野でやっていこうと考えたとき、私は次のような目標を立てた。 「研究者以外の仕事をせず、これまでと同じだけ稼ぐ」 (とはいえ、前任校で得ていた年収は、話すとびっくりされるほど低かったことは添えておきたい。) 別の仕事を持ちながら、在野の研究者として活動する人は何人もいる。家庭の状況などで、稼ぐことをそんなに考えなくていい人もいる。まず言っておきたいのは、私の目標は、そういう人たちのやり方の否定の上には立っていないということだ。ここは強調しておきたい。 その上で、であるが
※2019年6月に執筆したものを2020年6月、2022年6月、2023年5月にアップデートしています。 はじめに進学先やポスドクとしての所属先を選ぶ方のために、稲見が考える研究室の研究方針を示したいと思います。 ※ 研究方針に関しては、先端研 研究者紹介 フロントランナーやリケラボの記事もご覧ください。 ※ 運営方針についてはこちらのnoteをご覧ください Vision: 我々が目指していることさて、こちらの絵をご覧ください。これは、ポール・ゴーギャンがタヒチ滞在時代に描いた『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』です。このタイトルは人間に関する研究領域の重要な3つのリサーチクエスチョンともとらえることができます。 出典: Wikipedia "D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?"身体情報学研究
https://scrapbox.io/files/653de2212e08bf001bd185fd.png https://www.amazon.co.jp/なめらかな社会とその敵-__PICSY%E3%83%BB分人民主主義%E3%83%BB構成的社会契約論-ちくま学芸文庫-ス-28-1-鈴木-健/dp/4480511202 グレン・ワイルに誘われて、カリフォルニア大学バークレー校で開催されたPlurality Research Network Conferenceに参加したとき、私は深い感銘を受けた。そこでは、暗号通貨のような最先端のテクノロジーについて、地に足のついたアカデミックな文脈で議論されていた。高校時代に起業し、大学には行かずに暗号起業家として仕事を続けてきた私にとって、これは衝撃的な経験だった。 この経験に触発され、私は自分の生まれ故郷である日本で「Plurality T
なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか──そんなタイトルの論文がX(元Twitter)上で話題になっている。筆者は、日本のAI研究の第一人者である東京大学の松尾豊教授。そんな松尾教授が産業技術総合研究所の研究員だった頃に書いた研究報告だ。 内容はタイトルにあるように、研究者がいつも締め切りに追われる理由を探るというもの。序論では「余裕をもって早くやらないといけないのは分かっている。毎回反省するのに、今回もまた締め切りぎりぎりになる。なぜできないのだろうか? われわれはあほなのだろうか?」と言及。研究者が創造的な仕事をするために、締め切りがいかに重要な要素になっているか解析するとしている。 研究者の精神的ゆとりの単位「ネルー値」 論文では、研究者の精神的ゆとりを表す単位「ネルー値」を提案。1ネルー=「今日、このまま寝てしまっても締め切りなどに影響がない状態」であり、「n日寝てしまっても締め
データベース検索秘匿化技術「Private Information Retrieval (PIR)」の最先端アルゴリズムの発明と特許・商標出願までの道のり特許ElGamal暗号PIR商標 ブロックチェーンエンジニアのびりあるです。 データベースの検索内容をサーバ側に知られることなく検索ができる「Private Information Retrieval (以下PIR)」という暗号技術があるのですが、既存の実装ではシングルコアかつCPUでしか計算できるものがなく、実用的な範囲の計算時間では大規模化が難しいという課題がありました。 そこで、独自の研究開発を重ね、並列化がCPUもりも難しいGPUを用いて非常に高い効率で並列化ができるアルゴリズムを考案し、その試験実装を行った結果、家庭向けの安価なGPU (NVIDIA GeForce RTX 3080) 一台のみで、従来実装と比べて実実行時間性能
データを大量管理する企業に対抗できる技術として暗号通貨に注目 2012年頃、ビットコインがメディアで注目を集めるようになっていました。 そこでブロックチェーンやビットコインを調べて行くうちに、ビットコインの技術が、大量のID、データを管理しているGoogleやAmazonなどと、その他の企業との差を無効化することができる技術なのではないかと思い至るようになったのです。 IDの管理を共有のものとして、誰のものでもないシステムが作れるんじゃないか。もし、それが世の中の人に受け入られれば、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)に代表されるようなITの巨大企業が競争力の源泉としている、IDやデータの大量管理にも対抗していくことができるのではないかと。 何年も前からそんな風に思い始めていたのですが、世界的にも同じように考える人が現れ出して、ちょうどみんなが気づきはじめる
日本テレビ放送網株式会社の番組「Oha!4 NEWS LIVE」(平成24年7月5日放送分)の放送内容について 日本テレビ放送網株式会社の番組「Oha!4 NEWS LIVE」(以下、当該番組と呼ぶ)の平成24年7月5日放送分で、 東京大学石川奥研究室(以下、当研究室と呼ぶ)の研究成果であるじゃんけんロボットが紹介されましたが、 当研究室の考え方とは違う内容が放送されましたので、以下に当研究室としての見解を改めて表明致します. 尚、本件に関しては、日本テレビ放送網株式会社コンプライアンス推進室としては、 同社のコンプライアンス憲章並びに取材・放送規範にてらして「問題があるとは認められない」という見解を書面でいただいていることを申し添えます. 放送内容1(5時9分53秒頃): 当研究室の見解 当研究室で開発したじゃんけんロボットは、認識に要する時間が0.001秒で、認識後直ちにどの手を出すか
各種方針等 arrow_forward_ios生成系AIについて 生成系AI(ChatGPT, BingAI, Bard, Midjourney, Stable Diffusion等)について 2023年4月3日 東京大学理事・副学長(教育・情報担当) 太田 邦史 この半年ほどの期間で、生成系人工知能(Generative AI)が複数発表され、社会的に大きな注目を集めています。基本的には、インターネット上などに存在する既存の文章や画像イメージを大量に機械学習し、これに強化学習を組み合わせなどして、一定レベルの品質の文章や画像を生成するシステムです。とくに、2022年11月に公開され、話題になった大規模言語モデルChatGPTはバージョンが更新され、最新のGPT-4では生成される文章などの質や正確性が著しく向上しています1。 これらの生成系AIは、平和的かつ上手に制御して利用すれば、人類の
はじめに伝えたい内容はタイトル通りで、2023/3/31をもって2年1ヶ月の間勤めた、現職の筑波大学 テニュアトラック助教を退職することになりました。人生で退職願なるものを書いたのは初めてだったので、謎の感慨がありました。まぁ言ってしまえばそれだけなのですが、最近流行り?のacadexitをする当事者になったことと、アカデミアにいると退職エントリを書ける機会というのもそうないので、せっかくなのでいろいろ書いてみようと思います。アカデミアであったり企業であったりで研究者を志している人の参考になればうれしいです。 どんな人?主に拡張現実感(AR)やヒューマン-コンピュータインタラクション(HCI)、触覚インタフェースの研究をしている研究者です。 また、学歴・職歴は、東大で博士取得(2019年3月)→阪大で学振PD(2019年4月 - 2021年2月)→筑波大でテニュアトラック助教(2021年3
We investigate the potential implications of large language models (LLMs), such as Generative Pre-trained Transformers (GPTs), on the U.S. labor market, focusing on the increased capabilities arising from LLM-powered software compared to LLMs on their own. Using a new rubric, we assess occupations based on their alignment with LLM capabilities, integrating both human expertise and GPT-4 classifica
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