ロックの聖地として知られるコザ(現在の沖縄市)。基地に隣接する街であることもあって、かつては戦争特需で空前の好景気が訪れた。しかし、その後の衰退によって、中心街はシャッター店舗だらけになってしまった。そうした中、数年前から徐々に街が活気付こうとしているのだ――。 「コザ」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。 沖縄本島の中部、嘉手納基地に隣接する沖縄市は、かつてコザと呼ばれていた。日本では珍しいカタカナ表記だが、その語源については、米軍が古謝(こじゃ)という地名を読み間違えたなど諸説ある。 コザは古くからロックの街として知られ、日本を代表する伝説のハードロックバンド「紫」などを生んだ。時を同じくして、ベトナム戦争による好景気が到来し、街は大変なにぎわいだったという。 そんなコザは、日本復帰後の1974年に美里村と合併して沖縄市になったが、中心街である胡屋(ごや)には、今もなお数多くの